【現場の安全対策】ロックアウトシステムを活用して作業者の安全を守ろう!

設備をメンテナンスするうえで最も大事なことが「安全対策」。
設備が誤動作すると中で作業している人が巻き込まれる可能性がある為、作業を行う前に設備を確実に止めることが非常に大切です。
設備を止める最も単純な対策が「動力源を断つ」こと。電源ブレーカを切ったり元バルブ締めることで動力源が断たれ、設備は動かなくなります。
しかし、折角設備を安全な状態にしていたとしても、第三者が勝手に操作してしまうことで再び危険な状態に戻ってしまう可能性があります。
そのため、安全な状態を第三者が崩してしまわないよう、何かしらの処置が必要です。
この記事では、第三者が勝手に危険な状態にしてしまわないようにする為のアイテムである「ロックアウトシステム」についてご紹介いたします。
ロックアウトシステムを有効活用して現場の安全を守りましょう!
ロックアウトシステムって何?
ロックアウトシステムとは、遮断した電源用ブレーカや締めたバルブを第三者が誤って操作できないようにロックすることができる安全対策製品です。
ブレーカのノブやバルブのハンドルに専用の器具を取り付けて操作不能にし、更に鍵を掛けてしまうことで、鍵を持っている人でないと解除できないような状態を作り出します。
この仕組みによって、点検・補修作業中に別の作業者が誤って操作することを防止し、事故の発生リスクを低減できます。
第三者に表示で「訴えかける」のではなく、物理的に「操作できない」ようにするんだね!
ロックアウトシステムの種類ってどんなものがあるの?
ロックアウトシステムには以下のような種類があります。
ブレーカ用
引用先:ミドリ安全株式会社(ロックアウトシステム)
ブレーカを第三者が入れることができないよう、ブレーカのノブを挟んで固定できる器具です。
ブレーカに取り付けて専用の錠前を掛けることで、鍵がないとブレーカを入れることができなくなります。
ゲートバルブ用
引用先:ミドリ安全株式会社(ロックアウトシステム)
ハンドルを回して操作するゲートバルブにかぶせて、操作出来なくしてしまう器具です。
こうすることで、バルブを回そうとしても外側の器具がクルクル回ってしまうため、バルブを第三者が操作することができなくなります。
ボールバルブ用
引用先:ミドリ安全株式会社(ロックアウト ボールバルブロックアウト)
ハンドルを90°回転させて開閉するボールバルブ用の器具です。
スイッチ用
引用先:ミドリ安全株式会社(ロックアウトシステム 径22用 押しボタンスイッチカバー)
盤面等にある押しボタンスイッチをカバーで覆い、更にロックすることで第三者がボタンを押せなくなる器具です。
他にも、スイッチの全面をカバーしてキーを差せなくする「キースイッチ用」もあります。
引用先:ミドリ安全株式会社(ロックアウトシステム 径22用 キースイッチカバー)
プラグ用
引用先:ミドリ安全株式会社(ロックアウトシステム プラグ用ロックアウト)
コンセントプラグの先端をカバーで覆い、ロックすることでコンセントに差せなくできる器具です。
防水用など、比較的大きめなコンセントプラグに最適なロックアウトです。
ロックアウトって本当にたくさん種類があるんだね!
ロックする対象の大きさに合わせて、豊富にラインナップがありますよ
ロック(鍵の種類)のバリエーションも豊富
ロックアウトシステムには、操作できなくするための器具に加えて、器具を取り外せなくするための「ロック」も種類が豊富にラインナップされています。
錠(パドロック)
引用先:ミドリ安全株式会社(ロックアウトシステム PADLOCK)
ロックアウトシステムに欠かせないのがこの「錠(パドロック)」です。
遮断した電源ブレーカやバルブに取り付けたカバーにこのパドロックを取り付けて施錠することで、鍵を持った作業者が解錠しないと取り外せない状態を作り出せます。
つまり、パドロックのキーを持っていない人には操作が出来ないという、確実な安全管理が可能になるというわけですね。
パドロックには写真のようなオーソドックスな金属製の錠の他に、ブレーカなど電気が近くにあるところでも安全に施錠できるような、ナイロン製の錠やポリ塩化ビニルで覆われたものもラインナップされています。
引用先:ミドリ安全株式会社(ロックアウトシステム PADLOCK ABM-007 赤)
ちなみに、ミドリ安全のパドロックやエスコの錠はスペアキーが付属されていません。
そのため、スペアキーを使用して第三者が解錠してしまう心配がないというメリットがありますが、鍵を紛失すると解錠できなくなるため、管理には十分な注意が必要です。
安全上、スペアキーが付属されないのはしょうがないことだね
掛け金(ハスプ)
引用先:ミドリ安全株式会社(ロックアウトシステム HASPS №420)
1カ所のブレーカやバルブを複数の作業者がロックアウトしたい場合に使うのが「掛け金(ハスプ)」です。
このハスプには複数の穴が空いており、最大6名まで同時にパドロックで施錠することが可能になります。
このハスプを使うと最後の1人がパドロックを解錠するまで取り外すことが出来ない為、ロックアウトを施した設備に関わっている作業者全員の安全が確実に守られるというメリットがあります。
引用先:ミドリ安全株式会社(ロックアウトシステム HASPS)
こうしておくと、離れた場所で作業していても安心できますね
引用先:ミドリ安全株式会社(ロックアウトシステム HASPS №419)
パドロックをたくさん付けられるタイプもあるよ
ロックアウトシステムを使うメリット
ロックアウトシステムは次のようなメリットがあります。
第三者の誤操作を物理的に防止できる
ロックアウトシステムを使用する最大のメリットが、第三者の誤操作を物理的に防止出来る点です。
これまでは現場で下のような禁止札をブレーカ等に掛けて、第三者が操作しないよう安全対策をしていました。
しかし、この禁止札を掛けたところで気持ちの抑止力には多少効果はありますが、物理的な対策にはあまり効果がありません。
禁止札が掛かっていたとしても、気にせずブレーカやバルブを操作してしまう人がどうしても一定数存在するからです。
僕の経験で、クレーンの下見のためブレーカを切ってクレーン周りを確認中、第三者が勝手に電源を入れてクレーンを運転してしまったことで、挟まれて怪我をした作業者がいました。
その時は、ブレーカを切って上のような禁止札を掛けただけでした。
もし、ロックアウトシステムで施錠してキーを持ち歩いていれば、第三者がブレーカを入れようと思っても入れることができない状態であったため、事故を防ぐことができたのではないでしょうか。
このようなことを事故を未然に防げるのが、ロックアウトシステム最大のメリットです。
操作できなくすることが非常に大きなメリットですね!
現場の安全管理がしやすい
ロックアウトシステムは自分の身の安全を守るだけでなく、自分が管理している現場の作業者の安全を守るためにも有効なツールになります。
例えば、パドロックを複数付けることができるハスプを使って、自分が管理する現場に1つずつパドロックを取り付けておけば、作業者個人の独断による操作を未然に防止することが可能です。
ハスプとパドロックを上手く組み合わせて現場の安全管理を円滑に進めていきましょう。
ロックアウトを活用すれば、より精度の高い安全管理が可能になるね!
まとめ
以上、ロックアウトシステムについて解説しました。
ロックアウトは設備の保全を行う作業者や管理者にとって、労働災害を未然に防止するための強力な武器になります。
是非とも皆さんの職場に適したものを取り入れて頂き、労働災害のリスクを低減して快適な職場を目指していきましょう!