【間違えるとどうなる?】UVWの接続ミスによって起こる不具合と対策について

モーターの電源を接続するときによく見る「U」・「V」・「W」。
三相モーターの配線ではお馴染みですが、接続の順番や配線するところを間違えてしまうと、思わぬトラブルの原因になることがあります。
では、U・V・Wの配線を間違えるとどうなってしまうのか?
本記事では、不具合の具体例やミスを未然に防ぐポイントについて、分かりやすく解説していきます。
「U」と「V」が似てて間違えやすいよね
電源を投入する前によく確認することが非常に大事ですよ
おさらい:「U」・「V」・「W」って何のこと?
「U」・「V」・「W」とは、モーターを動かす際に接続するモーター側の端子のことを言います。
工場設備などでよく使われる三相交流回路では、
- 電源側を表す端子は「R」・「S」・「T」
- モーター側を表す端子は「U」・「V」・「W」
と表記するのが一般的です。
モーターに電源を接続する際、電源側端子の「R」・「S」・「T」は、モーター側端子「U」・「V」・「W」に以下のように接続します。
- R(電源側)→U(モーター側)
- S(電源側)→V(モーター側)
- T(電源側)→W(モーター側)
このように接続することで、モーターは正しい方向に回転します。
まずは基本をしっかりおさえておこう!
UVWの順番を間違えるとどうなる?
「UVW」を正しく接続したつもりでも、うっかり間違えてしまうことは人間だれしもあります。
もしこの接続順を間違えてしまった場合、モーターは逆方向に回転してしまいます。
例えば、電源側配線「R・S・T」に対して、本来の「U・V・W」ではなく、「U・W・V」や「W・V・U」など、順番を1つでも間違ってしまうと、モーターは正しい方向に回転してくれません。
回転方向の誤りは、設備の故障だけでなく作業者の安全にも影響を及ぼす可能性があります。
動かす前の配線チェックや、試運転時の回転方向の確認など、慎重な確認作業が必要不可欠です。
回転方向の誤りは、自分自身にも危険が及ぶ可能性があります。
UVWを繋ぐ場所を間違えるとどうなる?
「UVW」を繋ぐ場所を間違えるケースで一番多いのが、インバータへの配線ミスです。
インバータは、電源配線である「RST」とモーター配線である「UVW」を接続する端子が隣同士になっているケースが多いです。
この、本来「RST」を接続しなければいけない端子に「UVW」、また「UVW」の端子に「RST」を接続してしまうと、インバータが故障することがあります。
実は、僕も配線を間違えてインバータを壊してしまったことがあるんだ。。。
三菱のインバータの場合は、「RST」と「UVW」の接続を間違えないよう、端子に注意を促すためのシールが貼られています。
「RST」と「UVW」の配線を間違えるということは、それだけで機器などの故障リスクが高まる重大ミスということになります、必ず電源を投入する前に誤りがないかチェックするようにしましょう。
インバータ以外の機器でも同様ですね
接続ミスやトラブルを防ぐ対策について
接続ミスによるトラブルを防ぐためには、以下のことに注意しましょう。
取替時の配線は必ず記録しておこう!
既存のインバータやモーターを交換する場合は、必ず既存の配線を確認し、写真やメモなどで記録を残しておくようにしましょう。
特に古い設備では、モーターの「U・V・W」の配線が意図的に入れ替えられていることがあります。
もし記録を残さずに、「U・V・W」をマニュアル通りの”正しい順番”で接続したとしても、その装置にとっては逆回転となってしまう恐れがあります。
配線が3本だけと侮るなかれ、必ず配線を外す前に確認しましょう。
入れ替わっているのを見つけたら、配線を修正しておくのがベストだね
チェックが出来てから電源を投入すること!
接続を誤った状態で電源を入れてしまうと、機器の故障や誤動作による不具合等が発生してしまう可能性があります。
しかし、電源を投入する前であれば、仮にミスがあったとしても配線を修正することでトラブルを未然に防ぐことができます。
必ず配線チェックは電源を投入する前に終わらせておくようにしましょう。
電源投入は全ての配線チェックが終わってからです!
チェックは”ダブル”チェックで!
ダブルチェックとは、自分だけでなく別の人にも確認してもらうことを言います。
2名以上でチェックするから”ダブル”チェックですね。
このように複数人の目でチェックすることで、自分1人では見落としてしまうようなミスを発見しやすくなり、トラブルの発生を未然に防ぎやすくなります。
会社によっては、このダブルチェックを義務づけているところもあるよ
動かし始めは必ずインチングで!
“インチング”とは、モーターや機械をちょっとだけ動かす操作のことを言います。
例えば、何かを動かすためのモーターであれば、スイッチを一瞬だけ「ポンッ」と押して、モーターの回転方向(機械が動く方向)を確認します。
このようにして、モーターが正常に動いているか、回転方向が合っているかをインチングでチェックしてから、本格的な試運転を始めるようにしましょう。
動かし始めは必ず慎重に行ってください!
何事も”確認”が大事!
モーターやインバータの配線では、「U・V・W」や「R・S・T」といった端子の順番や場所を”確認”することが非常に重要です。
順番を間違えると、モーターが逆に回ったり、機械が正しく動かなかったりする原因になります。
特に、古い設備では配線が入れ替わっていることもあるので、取替や修理をするときは、元の配線を写真に撮るなどして記録しておくことが大切です。
また、電源を入れる前に誰かと一緒にダブルチェックを行うことや、試運転前に動作方向を慎重に確認することで、思わぬトラブルを防ぐことも可能となります。
手間を惜しまず、ひとつひとつの確認作業を丁寧に行いましょう。