【外れないボルトには最強!】「ラスペネ」の効果と使い方を徹底レビュー

錆びて外れないボルトにイライラしたことはありませんか?
錆付いたボルトや固着したネジなど、そのままの状態で工具を使って回してもなかなか思うように外れてくれません。
そんな時に便利なのが「KURE5-56」に代表される浸透潤滑剤です。
ですが、世には色んな種類の浸透潤滑剤が有って、価格帯も安いものから高いものまで実に様々。。。
高いものほど効果が有りそうな気はしますが、もし効果が無かったらと考えると気が引けてしまうのではないでしょうか。
そんな時に試してほしいのがWAKO’S(ワコーズ)の「ラスペネ」です。
僕自身、現場でいろいろな浸透潤滑剤を使ってきましたが、ラスペネは本当に頼れる1本でした。
今回は、僕の実体験を交えながらラスペネの効果や使い方、他の浸透潤滑剤との違いなどについて分かりやすく解説していきます。

僕もワコーズのラスペネは社有車に5本常備しています。
ラスペネってどんな浸透潤滑剤?

「ラスペネ」とは株式会社和光ケミカルが「WAKO’S(ワコーズ)」ブランドで製造・販売しているスプレータイプの高性能浸透潤滑剤です。
ラスペネには原液を直接噴射する「ラスペネC(RP-C)」、霧状に噴射する「ラスペネ(RP-L)」、RP-Lを小さくした「ラスペネミニ(RP-M)」の3種類があります。
基本スペック
ラスペネの基本スペックは以下の通りです。
ラスペネC(RP-C)
引用先:株式会社和光ケミカル(RP-C ラスペネC)
ラスペネ(RP-L)
引用先:MonotaRO(ラスペネ RP-L)
ラスペネミニ(RP-M)
引用先:株式会社和光ケミカル(RP-M ラスペネミニ)

おすすめはやっぱりプロ仕様の「ラスペネC(RP-C)」です!
ラスペネの特長
ラスペネの特長は次の通りです。
高い浸透性
ラスペネの最大の特長は、固着したボルトやナットの隙間に入り込む高い浸透性です。
ボルトやナットが乾いていると金属同士が直接こすれ合ってしまうため、摩擦が大きくなり動きがとても悪くなります。
引用先:呉工業(潤滑とは?)
また、ボルトやナットが錆付いていると隙間の錆が邪魔をしてなかなか緩んでくれません。
引用先:アストロプロダクツ(固着したネジ、ボルト・ナットの回し方と、折れたときの対処方)
ラスペネはこの金属同士の隙間に入り込み、金属同士が直接こすれ合わないよう油膜を作ってくれたり、サビなどを洗い流したりしてくれます。
引用先:呉工業(潤滑とは?)
この作用によってボルト・ナットが外しやすくなるというわけですね。

現場でも浸透力なら「ラスネペ」って言われてるよ!
優れた潤滑性
ラスペネは錆を落とすだけでなく、その後の動きをスムーズにする優れた潤滑性が長持ちするのも特長の1つです。
そのため、浸透して固着したネジやナットを緩みやすくするだけなく、回転部分やスライド部分の摩耗を抑える効果や、金属の焼き付きなどを防止するのにも役に立ちます。

一般的な潤滑剤よりも「低摩擦」かつ「高耐荷重」だからこそ、現場でも信頼されています
防錆力の高さ
浸透して潤滑させるだけでなく、金属を錆からしっかり守る防錆力を備えている点もラスペネの大きな強みです。
潤滑被膜が金属表面に密着することで、金属を空気や水分から遮断し、サビの発生を根本から防いでくれます。
特にその効果を発揮するのが、雨風にさらされる屋外設備や、塩分を含んだ空気が吹き付ける海沿いの機械など、錆が発生しやすい環境下でも活躍してくれる1本です。

野ざらしの現場で大活躍だね!
濡れていてもそのまま使える
屋外で使おうと思ったとき、部品に水分が含まれていることはよくあります。
そんな状況でも、ラスペネは水分を押しのけて金属に密着しようとする「水置換性」を持っているため、濡れた状態でもしっかり効果を発揮します。
そのため、雨や霧などで濡れてしまっていても、コンプレッサー等で水分をわざわざ飛ばさなくても、十分な浸透性・潤滑性・防錆効果が得られます。

他の潤滑浸透剤ではあまり見られない特長ですね
「ラスペネ」の凄さ

ラスペネを実際に使っているところを見ていきましょう。
素晴らしい浸透性にビックリ
ラスペネの圧倒的に高い浸透力をみてみましょう。
他の浸透潤滑剤で有名なのが呉工業のCRC5-56ですが、浸透力はラスペネの勝っています。
実際にボルトにラスペネを噴射してます。ちなみに、僕が使っているのは直噴タイプの「RP-C(ラスペネC」です。

このアンカーボルトにラスペネを噴射します。

直噴タイプは薬液が真っ直ぐ飛んでいくので、狙ったところにピンポイントで塗布することができます。

薬液がボルトとナットの隙間にどんどん浸透していきます。

黄色の薬液がボルトとナットの隙間に吸い込まれていきました。
如何でしょうか、なかなかの浸透力だと思いませんか?
ラスペネの浸透力は職人さんの間では非常に有名で、誰に聞いても浸透力はラスペネが一番だと口を揃えて言われています。
僕も使う前は「本当に?」と思っていたのですが、実際使ってみるとその浸透力に驚かされました。
潤滑性能の高さにビックリ
ラスペネは高い浸透力だけでなく潤滑性能の高さもピカイチです。
浸透潤滑剤の潤滑性が高いと、ボルトとナットの摩擦係数が小さくなるので、より取り外しが容易になります。
エピソードを1つご紹介します。
先日仕事をしている中で、φ80㎜の細ネジの溝が切ってあるシャフトからベアリングナットを取り外さなくてはならない事態が発生しました。
ベアリングナット(ロックナット)とは下のような部品を言います。
引用先:MonotaRO(軸受ユニット用アダプタナット・座金セット)
シャフトからこのベアリングナットを取り外そうとしたのですが、シャフト側のネジが痛んでいるのか、全く手で回すことができませんでした。
ハンマーとタガネでナットの溝を叩きながら回すと、ちょっとずつ回るようにはなりましたがかなり固い状態でした。
そこでラスペネを塗布して放置してみたところ、なんとハンマーでナット本体を叩きながらではありますが、手で回るような状態になっていました。
周囲の作業者の方も「さすがラスペネ!」と感心していたのが印象的でした。
このようにラスペネは、比較的大きな機械部品のメンテナンスにも威力を発揮してくれる素晴らしい浸透性潤滑剤なんです。
ラスペネの気になる点

ラスペネの唯一とも言っていいデメリットは、やはり価格が少し高いという点です。
僕が使っている「RP-C ラスペネC」は1本で定価2,640円します。CRC5-56の場合はホームセンターで400円ぐらいで購入できます。
なので、錆びた軸などから部品を取り外す際のサビ落としで大量に使うような場合等には、ラスペネよりもCRC5-56を使う方がコストパフォーマンスが高いかもしれません。

状況に応じて使い分けるのがベストですね
一度良さを実感したらもう戻れない

以上、僕が最強だと思っている浸透性潤滑剤、ワコーズのラスペネについてお伝えしました。
僕の仕事の中では、固着したボルトや機械部品を取り外すことがよくあります。これまではCRC5-56で何とか頑張っていましたが、今ひとつ劇的な効果を得ることができないでいたのです。
ワコーズのラスペネを使い始めてから、僕のこれまでの仕事がぐっと楽になりましたし、一緒に仕事をしている人もCRC5-56ではなくラスペネをリクエストするようになりました。
たまに会う業者の方がラスペネをずっと愛用しているのですが、今では僕もその気持ちが分かります。
固着したボルト・ナットや部品を取り外すことが多い職種で、まだラスペネを使ったことがないという方は是非一度使ってみてください。
良さを実感してしまったらもう戻れなくなりますよ。