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【初心者向け】リミットスイッチの仕組みや種類、タイプ別の特徴について詳しく解説

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工場設備や産業用機械の点検やメンテナンスをしていると、光電センサと同じぐらい様々なところで使われているのを見かけるのが「リミットスイッチ」と呼ばれる機器です。

リミットスイッチはサイズや形など非常に幅広い種類・バリエーションがあり、実に様々な用途で使うことができるとても万能なセンサの一種です。

でも、一口にリミットスイッチと言っても。。。

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たくさん種類があって、どれを選べば良いかよく分かりません。。。

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と疑問を持たれたり、悩まれたりした経験がある方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんなリミットスイッチの仕組みや種類、それぞれの特徴について基本的な部分をできるだけ分かりやすく解説していきます。是非参考にして頂ければと思います。

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リミットスイッチって沢山種類があって、それぞれどんな特徴があるか分かりにくいよね〜

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たくさんあるリミットスイッチの中から、よく使われるタイプのものをピックアップしましたので、是非参考にしてみてください

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記事の目次

リミットスイッチとは?|仕組み・構造について

引用先:日経XTECK(リミットスイッチの基礎)

リミットスイッチは上の図のとおり、主に「内蔵スイッチ」・「スイッチケース」・「アクチュエータ」・「カバー」の4つの部品構成で成り立っています。

それぞれが重要な役割を持っていて、どれか1つでも不具合があるとリミットスイッチは正常に動作することができません。

ここでは、どんなリミットスイッチに欠かせない4つの要素について、詳しく解説していきます。

内蔵スイッチ

「内蔵スイッチ」は、リミットスイッチ本体の内部に組み込まれている主要部品です。

内蔵スイッチには下図のようなボタンが付いていて、後ほど説明するアクチュエータ(検出物に直接触れるレバー等)が動作すると、それに連動してスイッチのボタンが押されるという仕組みになっています。

引用先:日経XTECK(リミットスイッチの基礎)

この内蔵スイッチのボタンがアクチュエータによって押し込まれると、スイッチ内部にある接点が開閉します。

これにより、リミットスイッチに接続された回路に電気が「流れる/流れない(ON/OFF)」を切り替えることができます。

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人が押す押釦スイッチと同じ構造だね

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スイッチケース

スイッチケースは、内蔵スイッチや端子を収納しておくためのもので、衝撃やホコリ等から保護する役割を担っています。

このスイッチケースはアルミなどの金属で出来ていることが多く、とても頑丈な造りをしているのが特徴です。

また、ケースのカバーにはパッキンが取り付けられているので、多少の水やホコリが周辺にあっても中に入らないようにもなっています。

また、ケースに電線を入れて接続する場合は、下図のような「コンジット用コネクタ」を使うことで、隙間から水やホコリが入らないようにできますので、気密性を維持することも可能です。

引用先:オムロン(リミットスイッチ用コネクタ)
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さらに密閉性を高めた薄形タイプのリミットスイッチもあります

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アクチュエータ

アクチュエータとは、検出する物体に直接触れて内部スイッチを作動させるための部品です。

リミットスイッチが”物体に当たった”ことを検出できるのは、このアクチュエータが機械的に動いて内蔵スイッチを押し込むためです。

アクチュエータには、用途や取付方法に応じてとても沢山の種類があり、「アクチュエータの種類=リミットスイッチのバリエーション」と言っても過言ではありません。

アクチュエータの例を挙げてみましょう。

リミットスイッチのアクチュエータで最もよく使われるのが、写真の「ローラーレバー形」です。

右側がオーソドックスなローラーレバー形、左が六角ボルトを緩めることで自由に高さを調整できるローラー調整レバー形という種類です。

このアクチュエータが検出体に触れてレバーが傾くと、内蔵スイッチが押されて中の接点が開閉するという仕組みになっています。

このアクチュエータの種類がリミットスイッチを選ぶうえで大事な要素になっていて、用途に応じた最適なアクチュエータを選ぶことが必要不可欠です。

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アクチュエータの種類は後でたっぷりと紹介するよ!

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カバー

リミットスイッチに配線を行う時は、カバーを開けることで内蔵スイッチの端子部にアクセスができます。

引用先:オムロン(ロングセラー商品をさらに使いやすく)

前述したとおり、カバーの内側にはゴムパッキンが入っていて、結線を行った後にしっかりカバーを閉じることでケースが密閉される仕組みになっています。

他にも、リミットスイッチが動作していることが電気的に分かるようにLEDを内蔵したものも存在します。

引用先:MonotaRO(2回路リミットスイッチ表示ランプつきカバー単品)
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ちゃんとスイッチがON/OFFしているか確認することができますね

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リミットスイッチの種類について

リミットスイッチには様々な種類がラインナップされています。

汎用たて形(一般形)

引用先:MonotaRO(2回路リミットスイッチ WL-N 長寿命形)

汎用たて形のリミットスイッチは一般的に最もよく使われるタイプのリミットスイッチです。「たて形」という種類ではありますが、アクチュエータの横のネジを緩めることで任意の角度に調整ができます。

ON/OFFの精度も高いので、設備の位置決め用途としても使うことが可能です。

特徴
  • 最も種類が多く汎用性が高い。
  • 堅牢な造りで壊れにくい。
  • 取付互換性が高く、他メーカーのものでも取り付けられる場合が多い。
  • 位置決め用途としても使用可。
  • ケーブルとコネクタを別途用意する必要がある。
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最もオーソドックスなのがこの「汎用たて形」だね

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薄形

引用先:Digikey(D4C-3420-B)

薄形は名前の通り汎用たて形と比べて小形かつ薄い形状が特徴です。

リミットスイッチ本体の内部は完全に密閉された構造で、IP67といった高いシール性を有しています。

その為、リミットスイッチは最初からケーブル付きとなっており、必要な長さを指定(3m・5mが一般的)して購入します。

特徴
  • 完全密閉構造でシール性が高い。
  • 小形かつ薄形な為、取付スペースが狭い場所でも取り付けやすい。
  • 密閉性が高い為、アクチュエータを動かしても「カチッカチッ」という音がしない。(耳で動作したか確認しにくい)
  • 汎用たて形と同様、位置決め用途として使用できる。
  • ケーブル付きなので、別途ケーブルやコネクタを用意する必要がない。
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「薄形」は密閉性が高いのが大きな特徴です

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小形

引用先:MonotaRO(小形リミットスイッチ HL-5000)

小形リミットスイッチは汎用たて形を一回り小さくしたような形状で、より直方体に近いケースが特徴です。

限られた狭い取付スペースにおいて、このボディサイズが有効的に働く場合もあるかと思います。

アクチュエータの種類については汎用たて形に及ばないものの、基本的な部分はしっかり押さえているので、選定しやすいのではないでしょうか。

価格が安いのも特徴で、簡単な機械であればこちらを使った方がコストダウンに繋がります。

反面、防水性能があまり期待できない為、水が掛かるような用途には汎用たて形か薄型を選定するようにしましょう。

特徴
  • 汎用たて形に比べてケースサイズが一回り小さい。
  • 価格が安い。
  • 防水性能が低い。
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コストを抑えたいときに便利なリミットスイッチだね

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防爆形

引用先:アズビル(防爆リミットスイッチ)

防爆形は周囲に爆発性ガスが存在する環境で使用されます。

機器の内部で発生した電気の火花が万が一周囲の爆発性ガスに引火してしまうと、火災や爆発などの大きな事故が発生する危険性があります。

このような事故が発生しないよう、着火源である火花がケースの外に出ないような構造になっているのが防爆形です。

特徴
  • 防爆構造を有したとても堅牢な造りをしている。
  • 防爆構造ゆえにケースサイズが大きい
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化学プラントや塗料工場といった、火気厳禁の場所にある設備に防爆形リミットスイッチは使われています

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アクチュエータの種類について

リミットスイッチの用途はこのアクチュエータで決まると言っても過言ではありません。

それぞれのアクチュエータについて解説します。

ローラーレバー形

最もオーソドックスなアクチュエータがローラーレバー形です。

側面のネジを緩めることで任意の角度に調整できるほか、かなりしっかりとした造りをしているので、壊れにくく信頼性の高いアクチュエータです。

ON/OFFの精度も高く、移動範囲の制限(リミット)用途だけでなく位置決め用途としても使用できます。

ただし、アクチュエータ側では角度しか調整が出来ない為、検出体との距離を調整する場合はリミットスイッチ本体ごと動かして調整できるような取付構造にする必要があります。

特徴
  • 堅牢な造りで壊れにくい
  • アクチュエータ側では角度調整しか出来ない
  • 移動範囲の制限用途に最適だが、位置決め用途としても使用可能。

ローラー調整レバー形

ローラー調整レバー形は正面の六角ボルトを緩めることで高さ調整ができるアクチュエータで、可変ローラーレバー形と呼ばれることもあります。

ローラーレバー形と違って角度+高さ調整ができるので、様々な場面に対応できるとても便利なアクチュエータです。

反面、アクチュエータの強度がローラーレバー形と比べて低いので、何かをぶつけてしまって曲がる等の不具合が起きやすいというデメリットもあります。

特徴
  • アクチュエータ側で角度と高さ調整が行える。
  • ローラーレバー形からそのまま置き換えが可能。
  • 側面から力が加わると曲がることがある。
  • 狭い場所での使用は少し不向き(ローラーと反対側の余剰分が邪魔になるときがある。)
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一番使いやすいのが何と言ってもローラーレバー形だね

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ピンプランジャ形

引用先:MISUMI(小形リミットスイッチ

ピンプランジャ形は、写真のようにアクチュエータがボタンのような形状をしているタイプのリミットスイッチです。

このアクチュエータが検出体に押されることで、内部スイッチがON/OFFするという仕組みになっています。

ピンプランジャ形はアクチュエータが動作したときのスイッチのON/OFF精度が高いというメリットがありますが、その形状から使用用途が比較的限られてしまうというデメリットもあります。

アイデア次第ではありますが、使い道が難しいアクチュエータとも言えますね。

特徴
  • 使用用途が限られる。
  • アクチュエータの向きを変えられない。
  • 設備の位置決め用途には不向き
  • 動作(アクチュエータの押し込み)に力が必要
  • 可動域(ストローク)が短い。

ローラープランジャ形

<トップローラープランジャ形>
<サイドローラープランジャ形>

ローラープランジャ形はピンプランジャ形のように押し込んで動作する構造は同じですが、先端にローラーが付いているのが特徴です。

ローラーの向きによって、トップローラープランジャ形やサイドローラープランジャ形などがラインナップされています。

先端にローラーが付くことで可動域(ストローク)が長くなったほか、動く物体を検出することが出来るので、通常のピンプランジャ形と比べてかなり汎用性が高いというメリットがあります。

また、スイッチのON/OFF精度が非常に高く、設備の位置決め用途としては最適です。

狭い場所での使用にも有利で、穴からアクチュエータを出して動くものを検出するといった使い方をしている場合も多いです。

ただし、アクチュエータの動作(押し込み)にはある程度の力が必要になるので、プランジャの反発(戻る)する力に負けないよう、構造や用途を決めるようにする必要があります。

特徴
  • 通常のプランジャ形と比べて汎用性が高い。
  • 狭い場所での使用に有利。
  • 動作精度が非常に高い。
  • 精度が高い反面、調整がシビア。
  • 動作(押し込み)に力が必要
  • 反発しようとする力も大きい
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プランジャ形は狭い場所での用途によく使われていますね

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フォークロックレバー形

引用先:MonotaRO(2回路リミットスイッチ WL-N/WLG 一般形)

フォークロックレバー形は写真のようなL字の形が特徴のアクチュエータです。

通常のアクチュエータだと、動作させている間はスプリングの力で戻ろうとする力が働いているため、アクチュエータから検出物が離れると元の位置に自動的に復帰します。

一方でフォークロックレバー形の場合は、レバーをある一定の角度まで倒すと90°回転し、スイッチのON状態をキープします。

そして、反対方向に再度レバーを一定の角度で倒すと、90°回転して復帰(スイッチがOFF)するという仕組みになっています。

引用先:オムロン(フォーク・ロック・レバー形 基本動作)

フォークロックレバー形は、一度動作させるとずっと状態をキープしてくれるので、ストライカー(リミットスイッチを動作させる為の部品)等で常に押し込んだり倒したりしておく必要がありません。

そのため、クレーンや台車等を減速させる(リミットスイッチが働くと高速走行できないようにする)用途や、シャッターが開いていることを検出するなどの用途によく使われています。

注意点としては、リミットスイッチを動作させた後に意図しない物体(配管や床に落ちている部品等)と接触して、アクチュエータが元に戻ってしまうといった誤動作が発生するケースがあることです。

また、アクチュエータを90°以上回転させようとすると、中の機構が破損することもあります。

若干クセのあるリミットスイッチではありますが、使い方によってはとても便利に使えるタイプのアクチュエータです。

特徴
  • 1回の動作で動作状態をキープできる。(動作させ続ける必要がない)
  • 位置決め用途には向かない。
  • 可動域は90°である為、それ以上無理な力を加えると故障する。
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意外とよく使われているアクチュエータだね

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可変ロッドレバー形

引用先:MonotaRO(2回路リミットスイッチ WL-N/WLG 耐環境形)

可変ロッドレバー形は名前の通り、棒状(ロッド状)で長さの調整が可能なアクチュエータです。

種類によっては380㎜の長さがあるものもオムロンではラインナップされています。

特徴としては、やはりそのロッドの長さを活かした検出距離の長さでしょう。

ただし、このロッドは曲がってしまうリスクがありますので、使いどころには注意が必要です。また、精度もあまり高くありませんので位置決め用途にはあまり向きません。

特徴
  • 検出距離が非常に長い(検出物から距離を取れる)
  • 動作に必要な力が少ない(テコの原理により)
  • 精度の高い検出には向かない(位置決め用途は不向き)

コイルスプリング、フレキシブルロッド形

引用先:MonotaRO(Telemecanique Sensors リミットスイッチ コイルスプリング)
引用先:MonotaRO(リミットスイッチ(フレキシブルロッド形))

これらのアクチュエータは、ロッドの根元もしくはロッド全体がバネの形状をしていて、まるでジョイスティックのような構造なのが特徴です。

そのため、一方向だけでなく様々な方向からくる物体を検出する用途に対応できます。

これらのアクチュエータも精度の高い検出には不向きですが、アイデア次第で様々な用途に応用が利くアクチュエータではないでしょうか。

特徴
  • 様々な方向から物体を検出することができる。
  • 動作(ロッドを倒す)に必要な力が非常に小さい
  • 高精度な検出には不向き
  • 保管に場所をとる。(箱が長くなる)
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ロッド形は精度は低いですが、検出物の有無を判別するだけの用途であれば、とても使いやすいアクチュエータです

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それぞれのアクチュエータの特徴を活かした使い方をしよう!

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まとめ

以上、リミットスイッチの種類やアクチュエータの特徴について解説しました。

リミットスイッチは形状・サイズ・アクチュエータの種類など、非常に多くのバリエーションがあるため、ベストな機器を選定するにはどうしても時間と労力が必要になります。

汎用形・薄形・小形と、大きさ1つをとってみても実に多種多様で、選び方を間違えてしまうと動作不良や寿命低下に繋がることもあります。

本記事は僕の経験からなるべく詳細に解説していますので、是非リミットスイッチ選定の参考としてお役立ていただければ幸いです。

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