【完全保存版】リミットスイッチの仕組みと種類を徹底解説!初心者でも分かる選び方のポイント
工場設備や産業用機械の点検やメンテナンスをしていると、光電センサと同じぐらい様々なところで使われているのを見かけるのが「リミットスイッチ」と呼ばれる機器です。
リミットスイッチはサイズや形など非常に幅広い種類・バリエーションがあり、実に様々な用途で使うことができるとても万能なセンサの一種です。
でも、一口にリミットスイッチと言っても。。。
新人まつもとたくさん種類があって、どれを選べば良いか分かりません。。。
と疑問を持たれたり、悩まれたりした経験がある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなリミットスイッチの仕組みや種類、それぞれの特徴について基本的な部分をできるだけ分かりやすく解説していきます。是非参考にして頂ければと思います。



リミットスイッチって沢山種類があって、それぞれどんな特徴があるか分かりにくいよね



たくさんあるリミットスイッチの中から、よく使われるタイプのものをピックアップしましたので、是非参考にしてみてください
リミットスイッチとは?|仕組み・構造について


リミットスイッチは上の図のとおり、次のような部品構成及び部位で成り立っています。
- アクチュエータ
- カバー
- 絶縁紙
- ケース
- 内蔵スイッチ
- コネクタ部
それぞれが重要な役割を持っているので、どれもリミットスイッチには欠かせない要素となっています。
これらがどんな役割を果たしているのか、詳しく見ていきましょう。
①アクチュエータ
アクチュエータとは、検出する物体に直接触れて内部スイッチを作動させるための部品です。
リミットスイッチが”物体に触れた”ことを検出できるのは、このアクチュエータが機械的に動いて内蔵スイッチを押し込むためです。
アクチュエータには、用途や取付方法に応じてとても沢山の種類があり、「アクチュエータの種類=リミットスイッチのバリエーション」と言っても過言ではありません。
一般的に、アクチュエータの種類でよく使われるのが、下の写真の「ローラーレバー」タイプです。


右側がオーソドックスなローラーレバー形、左が六角ボルトを緩めることで自由に高さを調整できるローラー調整レバー形という種類です。
このアクチュエータが検出体に触れてレバーが傾くと、内蔵スイッチが押されて中の接点が開閉するという仕組みになっています。
また、先端がローラーになっているので、検出体に触れた後に動いても、ローラーが回転して摩耗しにくいというメリットがあります。
このアクチュエータの種類がリミットスイッチを選ぶうえで大事な要素になっていて、用途に応じた最適なアクチュエータを選ぶことが必要不可欠です。



アクチュエータの種類は、あとでたっぷりと紹介するよ!
②カバー
リミットスイッチに配線を行う時は、カバーを開けることで内蔵スイッチの端子部にアクセスができます。
引用先:オムロン(ロングセラー商品をさらに使いやすく)
カバーの内側にはゴムパッキンが入っていて、結線を行った後にしっかりカバーを閉じることでケースが密閉される仕組みになっています。
カバーにもいくつか種類があって、リミットスイッチが動作していることが電気的に分かるようにLEDを内蔵したものも存在します。
引用先:MonotaRO(2回路リミットスイッチ表示ランプつきカバー単品)



ちゃんとスイッチがON/OFFしているか確認することができますね
③絶縁紙
絶縁紙は、リミットスイッチのカバーと内蔵スイッチの間に入っていて、カバーを開いた時に端子がむき出しにならないよう保護しています。
これがあることで、不意の感電や、端子・電線がカバーに触れて漏電するなどの事故を防ぐ役割があります。



この紙があるとちょっと配線しずらいんだけどね
④ケース
ケースは、内蔵スイッチや開閉機構を収納しておくためのもので、衝撃やホコリ等から保護する役割を担っています。
このケースはアルミなどの金属で出来ていることが多く、とても頑丈な造りをしているのが特徴です。
また、前述のとおりケースのカバーにはパッキンが取り付けられているので、多少の水やホコリが周辺にあっても中に入らないようにもなっています。





さらに密閉性を高めた薄形タイプのリミットスイッチもあります!
⑤内蔵スイッチ
内蔵スイッチは、リミットスイッチ本体の内部に組み込まれている主要部品です。
内蔵スイッチには下図のようなボタンが付いていて、アクチュエータが動作すると、それに連動してスイッチのボタンが押されて、接点が開閉するという仕組みになっています。
引用先:日経XTECK(リミットスイッチの基礎)
この内蔵スイッチのボタンがアクチュエータによって押し込まれると、スイッチ内部にある接点が開閉します。
これにより、リミットスイッチに接続された回路に電気が「流れる/流れない(ON/OFF)」を切り替えることができます。



人が押す押釦スイッチと同じ構造だね
⑥コネクタ部
コネクタ部は配線をリミットスイッチに入線する部分で、下図のような「ケーブルグランド(コネクタ)」を使って取付けるのが一般的です。
これによって隙間から水やホコリが入りにくくなりますので、スイッチ内部の気密性を保つことができます。


ちなみに、僕は「VCTF 0.75㎟×3芯」のケーブルに、オーム電機の防水キャプコン「OA-W1608」と組み合わせて配線することが多いですね。



オーム電機の防水キャプコンは入線が楽でとても使いやすいですよ



ホームセンターでもよく見る電材だね
リミットスイッチの種類とその特徴
リミットスイッチには標準的な形のものから薄形・小型タイプのものまで、様々な種類がラインナップされています。
それぞれの特徴を活かしたリミットスイッチ選びが非常に重要です。
汎用たて形(一般形)
引用先:MonotaRO(2回路リミットスイッチ WL-N 長寿命形)
汎用たて形のリミットスイッチは一般的に最もよく使われるタイプのリミットスイッチです。
「たて形」という種類ではありますが、アクチュエータの横のネジを緩めることで任意の角度に変えることもできます。
ON/OFFの精度も高いので、設備の位置決め用途としても使うことが可能です。
- 最も種類が多く汎用性が高い
- 堅牢な造りで壊れにくい
- 取付互換性が高く、他メーカーのものでも取り付けられる場合が多い
- 位置決め用途としても使用可能
- ケーブルとコネクタを別途用意する必要あり



最もオーソドックスなのが、この「汎用たて形」だね!
薄形
引用先:MonotaRO(小型リミットスイッチ D4C-□)
薄形リミットスイッチは、名前の通り汎用たて形と比べて小形かつ薄い形状のリミットスイッチです。
本体の内部は完全に密閉された構造になっているため、IP67といった高いシール性を有しているのも、大きな特徴のひとつです。
その為、リミットスイッチは最初からケーブル付きとなっており、必要な長さを指定(3m・5mが一般的)して購入します。
薄形リミットスイッチは、汎用たて形では取り付けにくい狭い場所への取付けがしやすいというメリットがあり、特に小型装置での位置決めなどに広く用いられています。


薄形リミットスイッチにも汎用たて形と同様、様々なアクチュエータのバリエーションが用意されています。
- 完全密閉構造でシール性が高い
- 取付スペースが狭い場所でも取り付けやすい
- アクチュエータを動かしても「カチッカチッ」と音がしない(聞こえない)
- 汎用たて形と同様、位置決め用途としても使える
- ケーブル付なので、別途ケーブルを用意する必要がない





薄形も汎用たて形と同様よく使われますね
小形
引用先:MonotaRO(小形リミットスイッチ HL-5000)
小形リミットスイッチは汎用たて形を一回り小さくしたような形状で、より直方体に近いケースが特徴です。
薄形よりも厚みはありますが、汎用たて形と比べると二回りぐらいサイズが小さく、薄形と同様狭い取付スペースに取付け易いというメリットがあります。
アクチュエータの種類については汎用たて形ほど種類はありませんが、よく使われる基本的なアクチュエータはラインナップされていますので、選定に困ることは少ないでしょう。
また、価格が安いのも特徴で、簡単な機械であれば汎用たて形よりもこちらを使った方がコストダウンに繋がります。
反面、防水性能があまり期待できない為、水が掛かるような用途には汎用たて形か薄形を選定するようにしましょう。
- 汎用たて形に比べてケースサイズが二回り小さい
- 価格が安い
- 防水性能は低い



コストを抑えたいときに便利なリミットスイッチだね
防爆形
引用先:アズビル(防爆リミットスイッチ)
防爆形は周囲に爆発性ガスが存在する環境で使用されます。
機器の内部で発生した電気の火花が万が一周囲の爆発性ガスに引火してしまうと、火災や爆発などの大きな事故が発生する危険性があります。
このような事故が発生しないよう、着火源である火花がケースの外に出ないよう、とても堅牢な構造になっているのが防爆形の大きな特徴です。


- 防爆構造を有したとても堅牢な造り
- 防爆構造ゆえケースサイズが大きい
- アクチュエータの種類が少ない



防爆形は、化学プラントや塗料工場といった、火気厳禁の場所にある設備には欠かせないリミットスイッチです!
アクチュエータの種類とその特徴
アクチュエータには、リミットスイッチの本体以上に多種多様なバリエーションが存在します。
そのため、リミットスイッチの用途はアクチュエータで決まると言っても過言ではありません。
では、具体的にどのような種類のアクチュエータがあるのか、一つ一つずつみていきましょう。
ローラーレバー形


最もオーソドックスなアクチュエータがローラーレバー形です。
側面のネジを緩めることで任意の角度に調整できるほか、かなりしっかりとした造りをしているので、壊れにくく信頼性の高いアクチュエータです。
ON/OFFの精度も高く、移動範囲の制限(リミット)用途だけでなく位置決め用途としても使用できます。
ただし、アクチュエータ側では角度しか調整が出来ない為、検出体との距離を調整する場合はリミットスイッチ本体ごと動かして調整できるような取付構造にする必要があります。
- 堅牢な造りで壊れにくい
- アクチュエータ側では角度調整しかできない
- 移動範囲の制限用途に最適だが、位置決め用途としても使用できる



1番よく使われているのが、やっぱりローラーレバー形だね
ローラー調整レバー形


ローラー調整レバー形は正面の六角ボルトを緩めることで高さ調整ができるアクチュエータで、可変ローラーレバー形と呼ばれることもあります。
ローラーレバー形と違って角度+高さ調整ができるので、様々な場面に対応できるとても便利なアクチュエータです。
反面、アクチュエータの強度がローラーレバー形と比べて低いので、何かをぶつけてしまって曲がる等の不具合が起きやすいというデメリットもあります。
- アクチュエータ側で角度と高さ調整も行える
- ローラーレバー形からそのまま置き換えが可能
- ローラーレバー形よりもアクチュエータが曲がりやすい
- 狭い場所での使用は少し不向き(ローラーと反対側の余剰分が邪魔になるときがある)



アクチュエータが華奢なのがデメリットですね
ピンプランジャ形
引用先:MISUMI(小形リミットスイッチ
ピンプランジャ形は、写真のようにアクチュエータがボタンのような形状をしているタイプのリミットスイッチです。
このアクチュエータが検出体に押されることで、内部スイッチがON/OFFするという仕組みになっています。
ピンプランジャ形はアクチュエータが動作したときのスイッチのON/OFF精度が高いというメリットがありますが、その形状から使用用途が比較的限られてしまうというデメリットもあります。
アイデア次第ではありますが、使い道が難しいアクチュエータとも言えますね。
- 使用用途が限られる
- アクチュエータの向きを変えられない
- 設備の位置決め用途には不向き
- 動作(アクチュエータの押し込み)に力が必要
- 可動域(ストローク)が短い



ちょっと”クセ”のあるアクチュエータだね
ローラープランジャ形
ローラープランジャ形はピンプランジャ形のように押し込んで動作する構造は同じですが、先端にローラーが付いているのが特徴のアクチュエータです。
ローラーの向きによってもバリエーションがあり、トップローラープランジャ形やサイドローラープランジャ形などがラインナップされています。




先端にローラーが付くことで可動域(ストローク)が長くなったほか、動く物体を検出することが出来るので、通常のピンプランジャ形と比べてかなり汎用性が高いというメリットがあります。
また、スイッチのON/OFF精度が非常に高く、設備の位置決め用途として使うことも可能です。
狭い場所での使用にも有利で、穴からアクチュエータだけをを出して動くものを検出するといった使い方を行っている設備もありますね。


ただし、アクチュエータの動作(押し込み)にはある程度の力が必要になるので、プランジャの反発(戻る)する力に負けないよう、構造や用途を決めるようにする必要があります。
- 通常のプランジャ形と比べて汎用性が高い
- 狭い場所での使用に有利
- 動作精度が高い
- 精度が高いぶん、調整がシビア
- 動作(押し込み)に力が必要
- 押し込みに対し反発しようとする力も大きい



ローラーが付くだけで、使い勝手がグッと良くなりますね
フォークロックレバー形
引用先:MonotaRO(2回路リミットスイッチ WL-N/WLG 一般形)
フォークロックレバー形は、写真のようなL字の形が特徴のアクチュエータです。
通常のアクチュエータだと、動作させている間はスプリングの力で戻ろうとする力が働いているため、アクチュエータから検出物が離れると元の位置に自動的に復帰します。
一方でフォークロックレバー形の場合は、レバーをある一定の角度まで倒すと90°回転し、スイッチのON状態をキープします。
そして、反対方向に再度レバーを一定の角度で倒すと、90°回転して復帰(スイッチがOFF)するという仕組みになっています。
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フォークロックレバー形は、一度動作させるとずっと状態をキープしてくれるので、ストライカー(リミットスイッチを動作させる為の部品)等で押し込んだり倒したりしている状態を維持する必要がありません。
そのため、クレーンや台車等を減速させる(リミットスイッチが働くと高速走行できないようにする)用途や、シャッターが開いていることを検出するなどの用途によく使われています。
注意点としては、リミットスイッチを動作させた後に意図しない物体(配管や床に落ちている部品等)と接触して、アクチュエータが元に戻ってしまうといった誤動作が発生するケースがあることです。
また、アクチュエータを90°以上回転させようとすると、中の機構が破損することもあります。
若干クセのあるリミットスイッチではありますが、使い方によってはとても便利に使えるタイプのアクチュエータです。
- 1回の動作で動作状態をキープできる
- 位置決め用途には向かない
- 可動域は90°まで、それ以上無理な力を加えると故障する



僕の職場でもよく使われているアクチュエータだよ!
可変ロッドレバー形
引用先:MonotaRO(2回路リミットスイッチ WL-N/WLG 耐環境形)
可変ロッドレバー形は名前の通り、棒状(ロッド状)のアクチュエータで、任意の長さの調整が可能な機構を備えています。
種類によっては380㎜の長さがあるものもオムロンではラインナップされています。
特徴としては、やはりそのロッドの長さを活かした検出距離の長さでしょう。
ただし、このロッドは曲がってしまうリスクがありますので、使いどころには注意が必要です。
また、ロッドが少しでも曲がると検出位置が変わってしまうため、精度が求められる位置決め用途には向かないアクチュエータです。
- 検出距離が非常に長い(検出物から距離を取れる)
- 動作に必要な力が少ない(テコの原理により)
- 精度の高い検出には向かない(位置決め用途など)



検出物の有無を検出するだけの用途であれば、とても便利なアクチュエータですね
コイルスプリング、フレキシブルロッド形
引用先:MonotaRO(Telemecanique Sensors リミットスイッチ コイルスプリング)
引用先:MonotaRO(リミットスイッチ(フレキシブルロッド形))
これらのアクチュエータは、ロッドの根元もしくはロッド全体がバネ(コイル)状になっていて、まるでジョイスティックのように360°どの方向にも動くのが大きな特徴です。
そのため、一方向からだけでなく、あらゆる方向から来る物体を検出する用途に対応ができます。
これらのアクチュエータも精度の高い検出には不向きですが、その柔軟性を活かし、アイデア次第で様々な用途に応用が利くアクチュエータです。
- 様々な方向から物体を検出できる
- 動作(ロッドを倒す)に必要な力が少ない
- 高精度な検出には不向き
- 保管に場所を取る(外箱が長くなる)



ロッド形は総じて検出精度は低いですが、検出物の有無を判別するだけの用途であれば、とても使いやすいアクチュエータです



それぞれのアクチュエータの特徴を活かした使い方をしよう!
まとめ


以上、リミットスイッチの種類やアクチュエータの特徴について解説しました。
リミットスイッチは形状・サイズ・アクチュエータの種類など、非常に多くのバリエーションがあるため、ベストな機器を選定するにはどうしても時間と労力が必要になります。
汎用形・薄形・小形と、大きさ1つをとってみても実に多種多様で、選び方を間違えてしまうと動作不良や寿命低下に繋がることもあります。
本記事は僕の経験からなるべく詳細に解説していますので、是非リミットスイッチ選定の参考としてお役立ていただければ幸いです。















