現場で作業をしていると、周囲や手元が暗くて見にくいという場面によく遭遇します。
特に工場などの屋内は必要最低限の照明しか設置されていないことが多く、実際に私達が作業を行う場所は大半が暗所であると言っても過言ではありません。
暗所で作業を行う場合、現場ではAC100Vのコンセントに接続して使うタイプの照明が一般的です。

現場全体を明るくしたり長い時間使用したい場合には、コンセントから電源をとる照明はとても有効的です。
しかし、コンセントが近くにない場合は延長コードを現場まで延ばす必要がありますし、頻繁に移動するような作業では都度コードを引き直さなければなりません。
そもそも屋外の現場であれば、コンセント自体がないケースが大半です。
高速道路などの夜間の工事現場では、大型の発電機や自己発電可能な工事用照明を使われていますが、短期間での客先設備のメンテナンスで使うにはちょっと大がかりになってしまいます。
手軽な電池式のハンドライトを使うという選択肢もありますが、やはり僕が現場作業の照明で”最強“だと思っているのはヘルメットに取り付けて使用するヘッドライトです。
この記事では、ヘッドライトがなぜ”最強”だと考えるのか、その理由とメリットについて解説していきます。
ひでくん僕の周りの業者さんも皆ヘッドライトを使っているよね



僕はヘッドライトを使うようになってから、それ以外の照明器具をほとんど使わなくなってしまいました
そもそもヘッドライトってどんな器具?
ヘッドライトとは、帽子やヘルメットなどに取り付ける照明器具のことを言います。


写真のように、ヘルメットにゴムのベルトで固定して使用します。
ヘッドライトは額から真っ直ぐに光を照射するため、常に目線の先に光が当たり、見ている部分を明るくすることができます。
ヘッドライトは主に次のような2種類が存在します。
一体型タイプ
一体型タイプは、光を照射するライト部分とバッテリー部分が一体になっているものです。
引用先:MonotaRO(LEDワイドヘッドライト)
写真のように、本体部分が1つに集約されていますね。
一体型タイプは比較的安価な機種が多く、本体部分が軽いため取り回しが良いのがメリットです。
反面、バッテリー部分が小さいため連続点灯時間が短かったり、光量の弱い機種が多いなどのデメリットがあります。



重いと肩が凝ったり頭が痛くなることもあるんだよね。。。
分離型タイプ
分離型タイプは、ライト部分とバッテリー部分が完全に分かれており、ケーブルで繋がっている種類のものを言います。
引用先:MonotaRO(LEDヘッドライトF501D)
分離型タイプは大容量バッテリーを積んでいるものが多く、ヘッドライトの光量を高めに設定していても長時間使用できるというメリットがあります。
また、高機能な機種が多いのもメリットの1つですね。
一方で、価格が比較的高い機種が多く、大容量バッテリーを搭載している分だけ全体的に重くなってしまうというデメリットもあります。



重さに慣れてしまえば、利便性の面で言うと分離型がおすすめです
ヘッドライトにしかない!|様々なメリットについて


ヘッドライトには、固定の照明や手持ちで使うハンドライト等と比べて様々なメリットがあります。
メリット①:両手が空く!
ヘッドライトを使う最大のメリットの一つが「両手が空く」という点です。
ハンドライトだと手で持って照らさないといけませんし、昔は手を空けるために口にくわえながら作業したこともありました。


ヘッドライトは頭に固定して使うので必然的に手が空き、現場仕事がしやすくなります。


また、両手が空くと階段を上る際に手すりをしっかり持つことができるなど、安全面でも良い効果をもたらします。



両手が空くと本当に作業がしやすいよね
メリット②:照らしたい方向を照らせる!
ヘッドライトは明るくしたい場所に顔を向けるだけで光を照らすことができます。
現場作業においては顔が向いている方向を明るくしたい場合がほとんどなので、意識しなくても常に目線の先を明るくしてくれています。
ヘッドライトの機種によっては首を動かさなくても角度を微調整できるものもあります。
引用先:GENTOS(GH-203RG)



意識して照らさなくても、自然と目の前が明るくなりますよ
メリット③:手元が影になりにくい!
ヘッドライトは頭の方から直接光を照らすので、影などの暗い部分が出来にくいのもメリットの一つです。
手元を照らす照明の選択肢として、マグネットで壁や鉄板などにくっつけておける「ワークライト」呼ばれる類いのものがあります。
引用先:MonotaRO(ガンツ 2軸可動式ワークライト)
ワークライトの場合は、作業の邪魔にならないよう頭上や後方にくっつけて使うことが多いため、光が分散して暗くなったり人の体で影ができるなど、いまいち手元が明るくならないことがあります。
かと言って手元の直ぐ近くに移動させると、目線にワークライトが入って作業の邪魔になることも多いです。
ヘッドライトは作業の邪魔にならない位置から直接光を照らしてくれるだけでなく、目線と同じ角度から光が当たるため、作業者の手元に影が発生しにくいというメリットがあります。
昔はワークライトを何個も使ってなるべく手元を明るくしようと頑張っていましたが、ヘッドライトを使い出してからはほとんど出番が無くなってしまいました。



邪魔になりくいから作業もはかどるよね!
メリット④:落とす心配が無い!
ヘッドライトはヘルメットに直接固定しているため、手持ちで使うハンドライトのように落として破損させたり、取りに行けないような場所まで落下させたりする心配がありません。


特に高所では落としたライトが下で作業している人に当たったりすると、怪我をさせてしまうなどの事故に発展してしまう可能性があります。
手持ちのライトからヘッドライトに変えることで、破損などの故障リスクに加えて周囲への危険リスクも低減することができます。



マグネットでくっつけておけるワークライトも、頭や体に当たって外れて落ちることがよくあります
メリット⑤:現場に置き忘れる心配が無い!
ワークライトをどこかにくっつけてそのまま忘れて帰ってしまった。。。という経験が無いでしょうか?
僕自身その経験がありますし、別の職場では設備の中に置き忘れてしまったために、それが原因で大きなトラブルに発展したケースもあります。
ワークライトやハンドライトは自分の身から離れてしまうという性質上、どうしても置き忘れのリスクが伴います。
一方、ヘッドライトは自身から離れることが無いため、現場に置き忘れるという心配がなく安心です。



自動設備の中に置き忘れてしまったら、簡単に取りに行けないことも多いから、このメリットも大きいよね
この点には注意|ヘッドライトのデメリット


ヘッドライトには少なからずデメリットも存在します。
下から照らしたい場合にちょっと使いにくい
ヘッドライトは基本的に上から下、もしくは水平方向に光を照らすため、下から上に向かって光を照らしたい場合には使いにくいことがあります。


例えばマグネットスイッチの接点を点検する場合、上側の接点は難なく視認することができますが、下側の接点は鏡を使って点検しようとしても影になったりしてうまく光を照らすことができません。
そのため、そのような場合に限ってはハンドライトやワークライトで下から照らして点検するようにしています。
光を当てる角度をフレキシブルに変えられないのが、ヘッドライトの弱点の一つです。



光の当て方を変えたいときは、ハンドライト等が使いやすいですね
ヘルメットのシール類が隠れる
現場用のヘルメットには資格を持っている証拠のステッカーであったり、会社のロゴシールや客先工場に入門するための許可シールなど、様々なシール類が貼り付けてあることが多いです。


ヘルメットにヘッドライトを取り付けると、ヘルメットに貼り付けてあるシール類が隠れてしまう可能性があるため、少しでもシール類が隠れると指導が入るような現場の場合は、ヘッドライトを取り付けてから貼り付けるなどの注意が必要です。
特に、会社のロゴや氏名のシールなどは貼り付ける場所が変えられないので、高い確率でヘッドライトのバンドや本体に隠れてしまいます。



特にルールが厳しい現場では注意が必要だね
ヘッドライトを選ぶポイント


ヘッドライトにはいくつか選ぶポイントがあります。
性能と利便性がトレードオフとなる場合があるので、ご自分の用途にあった最適のものを選ぶようにしましょう。
ポイント①:ヘッドライトの明るさ
ヘッドライトはできるだけ明るいものを選んだ方が良いように思いますが、明るすぎると逆にまぶしすぎて作業しずらいことがあります。
また、高出力な機種ほどバッテリーの消費が激しく、連続使用時間が短くなりやすい点も注意が必要です。
製品によっては明るさを段階的に調整できるものも有り、僕も明るさ調整ができるヘッドライトを使っていますが、最大照度の状態で使うことはほとんど有りません。
常用している明るさは大体300ルーメンぐらいです。
600〜700ルーメン以上の明るさをもつヘッドライトは、確かに明るいですがその分価格が高くなりますし、そもそもオーバースペックである場合が多いので、まずは300ルーメン前後の機種を使ってみることをおすすめします。



明るさは、ほどほどが良いですよ
ポイント②:ヘッドライトの大きさ(重さ)
ヘッドライトの大きさや重さについても、使い勝手にかなり影響される要素の一つです。
明るさが600ルーメンを超えるような機種であったり、バッテリーが大きく点灯時間が長い機種だと、それに比例して本体も重くなります。
本体が重いとヘルメット自体が重くなるので、使っていると肩が凝ったり頭が痛くなったりする場合があります。
僕が使っている機種もある程度の重さがあったので、慣れるまで少し時間を要しました。
人によっては慣れることが出来ずに軽い機種に買い換えた方もいます。
なので、最初はなるべく軽い機種で慣れていき、必要であればよりスペックの高い機種に買い換えるのが良いと思います。
ライト部分とバッテリー部分が一体になっているものは軽量な機種が多いため、愛用している方も多いです。



500〜600gぐらいになってくると、かなり重く感じるんじゃないかな
ポイント③:ヘッドライトの点灯時間
ヘッドライトの点灯時間は、ヘッドライトの明るさと積んでいるバッテリーの大きさとで相関関係にあります。
なので、当然ですが点灯時間が長い機種は明るさがそれなりになりますし、明るい機種を選択すると点灯時間の短さがネックになる場合があります。
また、点灯時間が長く明るい機種になると今度は重さがネックになってきます。
点灯時間が短いと使い勝手にかなり影響してくるので、できれば10時間以上の点灯時間が確保できる機種がおすすめです。
個人的には点灯時間が10時間以上で300ルーメンぐらいの機種が最もバランスがとれていると思います。



点灯時間もヘッドライトの使用勝手を決める大事なポイントです!
ポイント④:バッテリーの種類
ヘッドライトのバッテリーには以下の3パターンがあります。
それぞれ特性が異なりますので、ご自分の用途や許容度に応じて選択してみてください。
乾電池式
乾電池式は単三や単四乾電池を使うタイプです。
事前に充電をする手間がない点や、万が一使用中に電池が切れてしまっても、新しい乾電池を入れれば直ぐに使えるという点が大きなメリットです。
また、構造がシンプルなため価格が比較的安価で、本体重量も軽いという利点もあります。
エネループなどの充電池を使える機種もありますね。
ただし、予備の乾電池を常にストックしておく必要があったり、使用済み乾電池の処分など、ランニングコストや手間が掛かるといったデメリットもあります。
充電池式
専用の充電式バッテリーを使うタイプが充電式です。
乾電池式のように、予備の電池をたくさん持っておく必要もなく、専用バッテリーは充電して繰り返し使えるので非常に経済的です。
反面、充電を忘れるなどして作業中にバッテリー切れになってしまった場合は、予備バッテリーがないと直ぐに使えないというデメリットがあります。
ハイブリッド式
専用バッテリーと乾電池を両方使えるタイプがハイブリッド式です。
ハイブリッド式はバッテリーケースに専用バッテリーと乾電池どちらも入れられるような仕組みになっていて、専用バッテリーが切れても手持ちの乾電池に入れ替えてすぐに使える点が大きなメリットです。
ただし、構造が複雑になってしまうことから、価格は少し高くなる傾向にあります。



ご自分の好みと使い勝手で選んでみてね
ポイント⑤:ヘッドライトの付加機能
ヘッドライトにはメーカーや機種によって様々な付加機能があります。
欲しい機能を搭載したヘッドライトを積極的に取り入れることで、現場作業の利便性が更に向上します。
角度調整機能
ライト部分の角度を調整できる機能です。
目線と光の照射位置を微調整できるので、あると役に立つ機能です。
照射範囲調整機能
光をワイド光かスポット光かに調整できる機能です。
ライトのベゼル部分を回して照射範囲を広げたり狭めたりするものが一般的です。
照射する光の中心と周囲の明るさを変えて、全体と手元どちらも見やすくなるように工夫している機種もあります。
明るさ調整機能
照射する光の強さを手動で切り替えができる機能です。
場面に応じて光の強さを調整することで最適な明るさを得られるほか、バッテリー消費を最小限に抑えることも可能です。
最近のヘッドライトにはだいたい搭載されている機能です。
自動調光機能
周囲の明るさをセンサーで検出して自動的に照度を調整してくれる機能です。
状況に応じてヘッドライトが自動的に明るさを調整してくれるので、作業場所が頻繁に変わるような場面においてはとても便利な機能です。
モーションコントロール機能
ヘッドライトの前で手を動かすことによって、ライトの電源を入り切りしたり明るさを切り替えたりできる機能です。
油作業等で手が汚れている場合など、ヘッドライトに直接触りたくない状況で便利な機能です。
後部認識灯
バッテリーケースに搭載されている赤い表示灯が点灯したり点滅することにより、後方からでも周囲に対して存在を認識させることができる機能です。
ヘッドライトを点灯しなくても、後部認識灯だけ独立して点灯・点滅させることが可能です。
暗い現場での作業者の安全性向上に貢献します。
専用バッテリーへの直接充電
ヘッドライトの専用バッテリーは本体に装着した状態でケーブルを接続して充電する機種のほかに、専用バッテリーに直接ケーブルを接続して充電できるものもあります。
ヘッドライトに装着した状態でないと充電できない機種では、ヘルメットからヘッドライトを外す手間があったり、汚れたヘッドライトを室内に持ち込む必要があります。
ケーブルを直接接続して充電できるバッテリーであれば、ヘッドライトを外す必要がありませんし、専用の充電器を用意しなくても手持ちのUSBケーブル・充電器で充電することが可能です。



個人的には専用バッテリーへの直接充電が非常に便利でした
おすすめのヘッドライトをご紹介


僕や協力会社の方々が愛用していておすすめできるヘッドライトをご紹介します。
軽さ重視のヘッドライト
引用先:MonotaRO(充電式デュアルヘッドライト)
光を照らすライト部分が長細くなっているこのタイプは、ヘッドライトを付けていることを忘れるぐらい超軽量で、作業の邪魔になりにくいのが特徴です。
照射範囲が広いので、暗い現場を広範囲に明るくするのにとても向いています。
写真の機種はサイドにスポット用のライトも搭載しているので、手元を明るくしたい用途にも柔軟に対応できます。
バッテリーは内蔵式になっているので、取り外して充電したり予備と交換したりすることが出来ません。
超軽量を実現するためにあまり大きなバッテリーを積んでいないため、点灯時間が短めなのがデメリットです。
とは言え、超軽量というメリットに魅力を感じて愛用している方が非常に多いヘッドライトです。
コスト重視のヘッドライト
引用先:MonotaRO(タジマツール LEDヘッドライト)
コスト重視で選ぶのであればライト部分とバッテリー部分が一体型になっているものがおすすめです。
この部類のヘッドライトは¥2,000円〜¥3,000円程度で購入できるので、気軽に導入することができます。
また使用するバッテリーは単三などの乾電池1本だったりするので、ランニングコストも安いです。
メーカーがタジマやジェントスであれば、ある程度の照度を確保できますし明るさ調整機能などの基本性能もしっかり押さえています。本体も小さいので利便性も高いですね。
ただ、乾電池の種類や数・選ぶ機種によって点灯時間がかなり異なりますので注意してください。
バランスの取れたオールラウンドモデル
引用先:タジマ(ヘッドライトKJSブースト500lm)
タジマから発売されている「ヘッドライトKJSブースト500lm」は、ライト部分とバッテリー部分が分かれているモデルの中でも、明るさ:最大500lm/点灯時間:10時間と非常にバランスの取れたオールラウンドモデルです。
明るさ調整や角度調整などの基本性能はもちろんしっかり押さえつつ、製品重量も104gと比較的軽いのも魅力のひとつ。
バッテリーは専用バッテリーを使用しますが、ケーブルに直接接続して充電ができるバッテリーなので利便性も非常に高いです。
引用先:タジマ(ヘッドライトKJSブースト500lm)
ここまでの機種になってくると少し価格が高くなりますが、利便性・機能性がとても高いので非常におすすめできる一品です。
僕の周りの方も愛用者が非常に多いモデルですね。
明るく長持ちなハイスペックモデル
引用先:MonotaRO(GENTOS Gシリーズ長時間照射ヘッドライトハイブリッド)
僕が愛用しているヘッドライトがGENTOSの「GH-103RG」です。
600lmという明るさで12時間使用可能なハイスペックモデルです。
明るさは三段階で調整できて、ミドルモードで28時間、ECOモードで60時間も連続使用が可能です。
バッテリーはハイブリッド式で、ケーブルを直接接続できる専用バッテリーと単三乾電池どちらでも使用ができます。
基本性能は申し分ないのですが、バッテリー部分が重たいのと専用バッテリーの充電がmicroUSBである点が少し残念ポイントです。
明るさと長い点灯時間を両立したい方は検討してみてください。
最初は重たくて肩が凝りましたが、慣れてくれば大丈夫です。



何を重視するかに合わせて選んでみてください。
ヘッドライトは最強の照明ツール


以上、ヘッドライトの特徴やメリット等についてお伝えしました。
僕は仕事からいろいろな人と仕事をする機会がありますが、僕の周りのほぼ99%の方はヘッドライトを愛用しており、僕もヘッドライトを使うようになってからはハンドライトやワークライトをほとんど使わなくなってしまいました。
それぐらい、ヘッドライトは手持ちのハンドライトと比べて様々なメリットがある最強の照明ツールだと僕は思っています。
もしヘッドライト選びに悩んでおられましたら、この記事を参考にご自分の用途にあった機種を選んでみてください。
一度使うともう手放せなくなりますよ。
















