安全関係

【電源管理の安全対策】ロックアウトシステムを使って作業者の安全を守る

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設備をメンテナンスするうえで最も大事なことが「安全対策」。

設備が誤動作すると中で作業している人が巻き込まれる可能性がある為、作業を行う前に設備を確実に止めることが非常に大切です。

設備を止める最も単純な対策が「動力源を断つ」こと。電源ブレーカを切ったり元バルブ締めることで動力源が断たれ、設備は動かなくなります。

しかし、折角設備を安全な状態にしていたとしても、第三者が勝手に操作してしまうことで再び危険な状態に戻ってしまう可能性があります。

安全な状態を第三者が崩してしまわないよう、何かしらの処置が必要です。

この記事では、第三者が勝手に危険な状態にしてしまわないようにする為のアイテムである「ロックアウトシステム」についてご紹介いたします。

なべ
なべ

ロックアウトシステムを有効活用して現場の安全を守りましょう!

ロックアウトシステムとは

引用先:ミドリ安全「ロックアウトシステム」
引用先:ミドリ安全「ロックアウトシステム」

ロックアウトシステムとは、遮断した電源ブレーカや締めたバルブを第三者が操作しないように処置が出来る工具の総称です。

ロックアウトシステムには錠(パドロック)と治具(カバー)、掛け金(ハスプ)等の器具があり、これらを組み合わせて使用することで第三者の操作を防ぐことが出来ます。

錠(パドロック)

引用先:ミドリ安全「パドロック」

ロックアウトシステムに欠かせないのがこの「錠(パドロック)」です。

遮断した電源ブレーカやバルブに取り付けたカバーにこのパドロックを取り付けて施錠することで、解錠しないとカバーが取り外せなくなります。

つまり、パドロックのキーを持っていない人には操作が出来ないということですね。

パドロックには写真のようなオーソドックスな金属製の錠や、ブレーカといった電気が近くにあるところでも安全に施錠できるようなナイロン製の錠もラインナップされています。

ミドリ安全のパドロックはスペアキーが用意されないので、第三者に解錠される心配がない反面、キーを無くさないよう注意が必要です。

治具(カバー)

引用先:ミドリ安全「ブレーカ用ロックアウト」

ロックアウトシステムに欠かせないもう一つの要素がこの「治具(カバー)」です。

上の写真はブレーカのノブに取り付ける為の治具で、正しく取り付けて施錠することで第三者の誤操作を防ぐことができます。取り付けるのに工具等は必要なく、簡単に取り付けることが可能です。

ミドリ安全のブレーカ用ロックアウトは大と小が有り、ほとんどの大きさのブレーカに取り付けることが出来ます。

他にも締めたバルブ全体をカバーすることで操作できなくする治具など、様々な治具がラインナップされています。

引用先:ミドリ安全「バルブ収納ロックアウト」

掛け金(ハスプ)

引用先:ミドリ安全「ハスプ」

1カ所の電源ブレーカやバルブを複数の作業者がロックアウトしたい場合に使うのが「掛け金(ハスプ)」です。

このハスプには複数の穴が空いており、最大6名まで同時にパドロックで施錠することが可能になります。

このハスプを使うと最後の1名がパドロックを解錠するまで取り外すことが出来ない為、離れたところに電源やバルブがあっても安心して作業を継続することができます。

引用先:ミドリ安全「ハスプ」

ロックアウトシステムを使うメリット

ロックアウトシステムを使うことで得られるメリットです。

第三者の誤操作を確実に防止できる

ロックアウトシステムを使用する最大のメリットが、第三者の誤操作を確実に防止出来る点です。

僕も昔は現場で下のような禁止札をブレーカ等に掛けて安全対策をしていました。

引用先:MISUMI「命札」

ただ、この禁止札を掛けたところで気持ちの抑止力には多少効果はありますが、物理的な対策にはあまり効果がありません。

禁止札が掛かっていても、気にせずブレーカやバルブを操作してしまう人が一定数存在するからです。

そのような人にはいくら禁止札で注意を促したところで結局操作されてしまいます。

過去に、クレーンの下見のため電源ブレーカを切ってクレーン周りを移動中、第三者が勝手に電源を入れてクレーンを運転してしまったことで、挟まれて怪我をした作業者がいました。その時は切ったブレーカに禁止札を掛けただけで作業を行っていました。

ロックアウトシステムで施錠してキーを持ち歩いていれば防げた災害です。

このようなことを未然に防げるのが最大のメリットです。

現場の安全管理がしやすい

ロックアウトシステムは自分の身の安全を守るだけでなく、自分が管理している現場の作業者の安全を守るためにも有効なツールになります。

ハスプを使って自分が管理する現場に1つずつパドロックを取り付けておくことで、個人判断による操作等で起こる事故を未然に防ぐことが出来ます。

ハスプとパドロックを上手く組み合わせて現場の安全管理を円滑に進めていきましょう。

まとめ

以上、ロックアウトシステムについて特徴やそのメリットについて解説しました。

ロックアウトは設備の保全を行う作業者にとって、労働災害を未然に防止するための強力な武器になります。

ロックアウトシステムにはブレーカやバルブの他にも、押しボタンスイッチやキースイッチの操作を防ぐカバーなど、実に様々な種類のものが発売されています。

是非とも皆さんの職場に適したものを取り入れて頂き、労働災害のリスクを低減して快適な職場を目指していきましょう。

ABOUT ME
なべ
なべ
エンジニア
設備保全一筋20年の保全マン。
専門は電気であるが、機械関係の仕事にも携わっている。
現在は営業・設計・製作・工事までを1人でこなすハードな毎日を送っている。
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