皆さんは資格をどれだけお持ちでしょうか?
資格には取り易いものから取るのが難しいものまで様々な種類が存在しますが、実は取るのが比較的簡単なものでも、結構役に立つ資格がたくさんあるんです。
でも、いざどの資格を取ろうかと考えたときに。。。
新人まつもとこの資格って、本当に仕事で役に立つのかな〜?
と、どの資格を取ったら良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな悩みに対して僕がこれまで取ってきた「実際に仕事で役に立った資格」をご紹介します。
工場・現場仕事に直結する内容ですので、是非参考にしてみてください。



簡単に取れる資格でも、仕事の役に立つものは沢山ありますよ!
資格の種類について


資格には大きく「免許」・「技能講習」・「特別教育」の三種類があります。
免許
資格の中で一番上位に位置するのが「免許」です。
当然一番取得が難しく、免許試験に合格する必要があるほか、定められた実務経験を積んでいるなどの一定の条件をクリアしなければいけない場合もあります。
ですが、その分「免許」を取得できれば仕事や就職活動をするうえで強力な武器になりえます。
厚生労働省が管轄している労働安全衛生関係の資格としては
・クレーン運転士
・ボイラー整備士
・潜水士
などです。
車を運転する為の運転免許も立派な「免許」ですね。



「免許」が一番ハードルが高いけど、取ってしまえば一生ものだよ!
技能講習
資格の中で中堅に位置するのが「技能講習」です。
技能講習は学科講習と実技講習をそれぞれ受講し、その教育機関で行われる修了試験に合格すれば取得できる資格のことを言います。
労働安全衛生法で就業制限業務として定められている仕事に就く為にはこの「技能講習」の資格が必要になります。
「免許」と同じく「技能講習」も立派な国家資格なのですが、「免許」を取得するときに受ける試験よりは簡単な試験なので、教育機関でまじめに講習を受講していればほぼ間違いなく合格できるはずです。
実際の現場仕事で役に立つ資格はこの「技能講習」が一番多く、主な「技能講習」の種類としては
・フォークリフト運転技能講習
・高所作業車運転技能講習
・ガス溶接作業技能講習
・有機溶剤作業主任者技能講習
などがあります。
尚、「技能講習」には実際に自らが運転や作業をするタイプと、作業現場を管理・指揮する立場の作業主任者タイプがありますので、自分の職種に合ったものを選ぶと良いでしょう。



「技能講習」は国家資格なのにとても取りやすい資格なので、非常におすすめです!
特別教育
特別教育は特定の危険作業に従事する為に必要な専門的教育のことを言います。
法令で定められた教育項目があり、それぞれに必要な教育時間が設定されています。
修了試験については、理解度確認等の目的で簡単なテストが行われるケースもありますが、基本的には難しいものではなく合否にもあまり影響がない場合が多いですね。
特別教育については外部機関だけでなく、特別教育修了者など十分な知識と経験を持った講師が行うのであれば、自社内で教育を行うことも可能です。
なので、大勢の社員をわざわざ外部機関に行かせなくてもいいという会社的なメリットもあります。
特別教育については修了証発行義務がない為、自社で行った場合は教育記録の保管(3年間の保管義務有り)のみで終わってしまう場合もあります。



社内的に修了証に変わるものが無いようであれば、外部機関へ行く方がいいかもしれないね



外部機関であれば、修了証を必ずもらうことができますからね
実際に取得して役に立った資格


僕がこれまで取得した資格の中で実際に「役に立った!」と思う資格をご紹介します。
フォークリフト運転技能講習


フォークリフトとは、写真のような爪(フォーク)が前に2本ある重機で、この爪(フォーク)で人間が持てないような重たいものを運ぶことができます。
物流関係の倉庫や工場、お店での品出し等の仕事に携わっている方であれば、ほぼ必須とも言える資格になりますね。
また、現場作業がメインで普段運搬作業をしないような方でも、たまにフォークリフトを使用して重たい部品や荷物を動かさないといけない場合があります。


そのような場合に、資格を持っている人を呼んで運搬してもらうのでも良いですが、やはり自分でフォークリフトを運転できた方が効率よく作業を進めることができます。
僕自身、普段はデスクワークが中心ですが、たまに入荷してくる重い部品を荷降ろしする際は自らフォークリフトを運転して作業をしています。
最初の頃は、資格を持っている人をわざわざ呼んで作業をしてもらっていました。
しかし、資格者が不在だったり、他の作業で手が離せないような状態だったりすると、その間作業が滞ってしまうことも少なくありませんでした。
なので、自分が資格を取って運転出来るようになれば、このような問題が解決できると思って資格を取りに行ったのです。
フォークリフトの資格は工場勤務の方であれば持っている人も多いですが、サラリーマンなど一般の方はあまり持っていない資格なので、あると重宝する資格だと思います。
僕が資格を取りに行った時は、女性も何人か取りにこられていました。
フォークリフトの資格は最大荷重が1t未満であれば特別教育という選択肢もありますが、1t未満のフォークリフトは使い勝手が悪いためあまり使われません。
なので、資格を取るなら技能講習の方をおすすめします。
フォークリフト運転技能講習は運転免許証を持っていない方は最大35時間の学科及び実技講習、免許を持っていれば31時間、特定の資格を持っていれば半分ぐらい時間免除で取得が可能です。
日数にすると約4日間ぐらい、費用は4万から5万円の間ぐらいが相場です。(時間免除の方はもう少し安くなります)
実技講習は、フォークリフトでコースを走行しながら実際に荷物を運ぶという内容です。
取るのもの楽しい資格なので、是非トライしてみてください。



フォークリフトの資格は取っておいて損はないですよ


小型移動式クレーン運転技能講習


移動式クレーンとは重い荷物を持ち上げられる「クレーン」を不特定の場所に自走させることができるものを指します。
中でも、小型移動式クレーンは移動式クレーンのうち最大吊り上げ荷重が1t〜5t未満のものを言います。
「吊り上げ荷重」とは、クレーンが吊り上げられる重さのうち吊り具を含めた重さのことを言う
小型移動式クレーンの代表的なものが、写真のようなトラックとクレーンが一体になった「トラッククレーン」ですね、ユニック車という言い方が一般的です。


公道でよく見かけるユニック車はこの最大吊り上げ荷重が3t前後のものが多いです。
なので、小型移動式クレーン技能講習の資格を取れば、ユニック車を使用して重量のある荷物や部品を運搬したり、据え付け作業に使うことも可能になります。
事務的な仕事がメインの方は殆ど使う機会はないかと思いますが、工事や運搬作業を生業とされている方はこの資格を持っている人が非常に多いです。
小型移動式クレーンが使えるか使えないかで現場作業の進め方に大きく影響しますので、持っていて損することは絶対にない資格だと思います。
小型移動式クレーン運転技能講習は最大20時間の学科及び実技講習で、特定の資格を所有していれば数時間の時間免除で資格が取得可能です。
日数にすると3日間程、費用は4万5千円から5万円ぐらいが相場です。
僕がこの資格を取りに行ったときも、フォークリフトのときと同様女性が数名取得されていましたよ。
小型移動式クレーンの実技講習は、実際のユニック車を使用してダミーの荷物を吊り、その荷物をポールを立てて作ったコースの間を通しながら所定の位置まで運ぶという内容でした。
荷物とポールが接触しないように運ばなくてはいけないのですが、教官の方がコツを随所で教えてくれるので案外簡単に合格できるかと思います。
尚、小型移動式クレーン運転技能講習はあくまでクレーン部分の運転に関する資格なので、公道を走行するには車両を運転するための免許(車の運転免許等)が必要になります。



ユニックは、物の移動や搬入・搬出、設備の据付工事まで幅広い用途で活用できるよね
高所作業車運転技能講習


高所作業車とは、屋根や電柱等、高所での作業に使われる車両のことを言います。
伸縮や旋回が可能な「アーム」の先端にはゴンドラが備わっていて、そのゴンドラに作業者が乗ることで高い場所まで安全に移動しながら作業を行うことができます。


高所作業車を使用することで、高所での作業を安全かつ高品質に行えるだけでなく、現場内を走行して様々な作業場所へ移動することができるので、足場を組む手間を省くことが可能となります。



作業の効率化に繋がります
高所作業車に関する資格は作業床(人が乗るところ)の高さが10mを超えるかどうかで、「技能講習」か「特別教育」かで分かれるという特徴があります。
- 特別教育:高さ10m未満の高所作業車まで運転できる
- 技能講習:高さ10m以上の高所作業車も運転ができる
特別教育と技能講習とでは、やはり高さの制限がない方が現場での使い勝手が良いので、資格を取るなら技能講習の方がおすすめです。
建設工事や電気工事など、様々な現場で高所作業車は幅広く活用されていますので、高所作業車の資格を持っていると仕事の幅がグッと広がります。
高所作業車運転技能講習は最大17時間の学科及び実技講習で、小型移動式クレーンやフォークリフトの技能講習資格を持っていると何時間か免除されます。
日数は2〜3日間程度で、費用は4万〜5万弱の間ぐらいです。
僕が受講した実技講習は、実際の高所作業車の作業床(ゴンドラ)に乗って、高さ6〜7mぐらいと4〜5mぐらいにそれぞれ設置されている棒に付けてある洗濯ばさみを交換して地上まで戻ってくるという内容でした。
あんまり僕は高いところが好きではないのですが、やってみると以外と楽しい講習でした。



講習中に高さ15mぐらいの屋根まで上がりましたが、流石にこれは怖かったですね。。。
クレーン・デリック運転士免許


クレーン・デリック運転士免許は重い荷物を吊って運搬するための「クレーン」を運転するための「免許」になります。
この免許を取得すると、移動式クレーン(不特定の位置まで自走できるクレーン)を除いた、レールの上を走行する各種クレーンを運転することができます。



レールの上など、走行できる範囲が決まっているクレーンであれば、どんな種類のクレーンでも運転することができる「免許」だよ
クレーンは吊り上げ荷重や操作方式によって、運転に必要な資格が分かれています。
| 運転できるクレーン | 必要な資格 |
| 吊上荷重が5t未満のクレーン | クレーン運転の業務に 係る特別教育 |
| 運転者が床上で操作し、 荷とともに移動する 吊上荷重が5t以上のクレーン (無線操作式を除く) | 床上操作式クレーン運転 技能講習 |
| 吊上荷重が5t以上の クレーン・デリック (無線操作式を含む) | クレーン・デリック 運転士免許 |
| 吊上荷重が5t以上の クレーン (無線操作式を含む) | クレーン・デリック 運転士免許 (クレーン限定) |
| 運転者が床上で操作し、 吊上荷重が5t以上のクレーン (無線操作式を除く) | クレーン・デリック 運転士免許 (床上運転式クレーン限定) |



「吊り上げ荷重が5t未満か以上か?」・「床上操作か?」・「荷とともに運転者が移動するか?」この3点がポイントですね
クレーンのには次のような種類があります。
天井クレーン


建屋の天井を走行するクレーンを「天井クレーン」と呼びます。
天井クレーンには工場や倉庫などの屋内を走行するものや、写真のように屋外を走行するものなどがあります。
部品の組み立てでよく使われる通称「ホイスト」も、天井クレーンのカテゴリーに入ります。





吊り上げ荷重が5t未満のホイストであれば、特別教育でも運転ができます
コンテナクレーン(ガントリークレーン)


コンテナを船から下ろしたり積載したりするときに使われるのが、コンテナクレーン(ガントリークレーン)です。
非常に大きなクレーンなので、運転するにはクレーン・デリック運転士免許が必須になります。



こんなクレーンも運転することができるんだね
ジブクレーン


ジブクレーンは”ジブ”と呼ばれるアームを備えたクレーンのことで、このジブを上下(起伏)させたり旋回させたりして重量物を運搬することができます。
またジブクレーンには走行装置が備わっているものもあり、これらの動作を駆使することでかなり自由度の高い運搬作業が可能となります。



ジブクレーンも結構大きなものが多いですよ
クレーンの資格には様々な種類が存在し、条件に応じて特別教育や技能講習等の選択肢もありますが、クレーン・デリック運転士免許はそのような制限がなく、対応できる範囲がとても広い資格なので、取得できるのであればクレーン・デリック運転士免許をおすすめします。
自社工場以外でも、客先の会社に出張してメンテナンスを行うような仕事に携わっている人の中には、この免許を取得しているケースも多く見られます。
そのため、製造業だけでなく工事や保全業務の分野に転職する場合でも有利に働く可能性があります。
クレーン・デリック運転士の免許は専門の教習所で取得でき、学科・実技含めて6日間ぐらいの教習で費用は約10万円ほどと少し高いのがデメリットですが、勤めている会社で取得できるチャンスがあるのであれば、積極的に取りに行かれることをおすすめします。
免許といっても難易度としては車の免許よりも断然取りやすいと思います。
最後に実技試験があり、天井クレーンを操作して、コースに立てたポールの間を吊った荷物が当たらないように所定の位置まで運んでいくという課題をクリアすれば、免許を手に入れることができます。
もちろん何度も練習できますし、コツを掴めば必ず合格できる試験になりますので、是非チャレンジしてみて欲しいです。



僕は仕事がら、クレーン・デリック運転士の免許が必要不可欠です
電気工事士


電気工事士はその名の通り電気工事をする為の「免許」です。
電気に関する資格は様々ありますが、電気工事士は工事を管理する為の資格ではなくて、電気工事をする側の資格になります。
電気工事士には第一種と第二種があり工事ができる規模が違います。
もちろん、第一種の方が上位です。
- 第一種電気工事士:500kW未満の自家用電気工作物(他から600Vを超える電圧で受電している電気設備や小出力以外の発電設備等)に対して工事ができる ※一般電気工作物も含む
- 第二種電気工事士:一般電気工作物(一般家庭や店舗・工場等、他から600V以下の電圧で受電している電気設備)に対して工事ができる
第二種電気工事士は、平たく言うと住宅やお店、比較的小規模な工場の中で電気の仕事ができるといったイメージで、他にも一般家庭へのクーラーの取り付けから新築住宅や店舗等の配線工事など、第二種でも幅広い電気工事に対応ができます。
一方、第一種電気工事士は第二種電気工事士の工事範囲に加えて、大規模な工場や商業施設等で電気工事を行う場合に必要になるケースがあります。
第二種電気工事士の資格でも十分活用ができますが、やはり後々のことを考えると第一種電気工事士の取得も視野にいれておくと良いと思います。
電気工事士の資格を取得するには、自己流の勉強だけでは合格が難しい場合があるので、できれば教育機関が主催している講習会の受講をおすすめします。
電気工事士の資格試験は学科と実技があり、学科については勉強すれば合格できると思いますが実技試験は少しコツがあります。




電気工事士の実技試験は出題された回路図通りに与えられた配線材料を使って配線するという内容で、この試験に出題される回路図の候補10パターン事前に公表されます。
つまり事前に公表される10パターンの回路図の中からどれか1つが出題されるわけです。
この実技試験では配線の条件が細かく書かれており、その通りに配線しなければならないでのすが、たまに引っ掛けがあります。
この条件文をよく読まずにセオリー通りに配線してしまったせいで、不合格になった人が僕の同僚でいました。
他にも、配線は合っているのにも関わらず欠陥として扱われる箇所が有るなど、何かとややこしい決まり事もあります。
このように教えてくれないと気付かない部分が有ったり、そもそも事前公表10パターンの回路図の配線が自分だけでやって合っているか分からないという場合もありますので、やはり一発で合格したいのであれば、多少費用が掛かったとしても講習を受講する方が合格の確率が上がります。
筆記試験の勉強と実技試験の練習をしっかり行えば、必ず合格できると思いますので、是非チャレンジしてみて下さい。



電気工事業だけでなく、設備の保全業務でも電気工事士の資格は役にたつよ!
役に立つ資格を沢山とろう!


以上、僕が取得してきた資格の中で特に役に立ったと思うものをピックアップしてお伝えしてきました。
ここでご紹介した資格はどれも僕の仕事の中で役立ってくれているものばかりです。
手に職をつける意味でも、出来るだけ技術的な資格をピックアップして取得されることをおすすめします。
いずれ必ず役に立つ日が来るはずですよ。


