タキゲンの鍵「200番」と「TAK50」は何が違う?|特徴や互換性について詳しく解説
制御盤や分電盤の扉を開けたり閉めたりするのに必要な盤ハンドル。
この盤用ハンドルには「タキゲン製造(TAKIGEN)」製のものがよく使われています。

このタキゲン製ハンドルには、第三者が勝手に扉を開けて中を触らないようにするための「鍵」が備わっていて、設備の安定稼働や人の安全確保などの重要な役割を担っています。

タキゲンの鍵にはいくつか種類があるのですが、その中でも一番見かける機会が多いのが通称「200番」と呼ばれる錠前が組み込まれたハンドルです。

いろんなところに200番のキーは使われているよね
また、200番ほどではないものの、現場でよく使われている種類で「TAK50」という鍵も存在します。
どちらもよく耳にする鍵の種類なのですが、

200番とTAK50って何が違うの?

これらの鍵ってどのように使い分けたらいいの?
といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな200番とTAK50の鍵について、特徴や違いについて詳しく解説していきますので、鍵選びに迷わないよう是非参考にしてみてください。

鍵を使い分けることで様々なメリットがあります。
タキゲンの「200番」ってどんな鍵?

タキゲンの「200番」とは、「№0200」という種類の錠前が組み込まれたハンドルを開くことができる鍵です。
200番の鍵は1964年から半世紀以上発売されているとても歴史のある錠前で、キュービクルや分電盤、各種設備の制御盤に取り付けられているハンドルに広く採用されてきました。
現在ではメーカーのタキゲン製造だけではなく、他社からも互換性のある鍵が作られるようになっていて、様々な現場で手に入りやすい”共通キー”として普及しています。
ちなみに、「№0200」の他に「№R200」という鍵も存在します。
引用先:タキゲン製造株式会社(No.R200 スペアキー)
この「№R200」は「№0200」のリバーシブルモデルで、鍵のギザギザが片方にしかない「№0200」とは違い、ギザギザが両方にある鍵になっています。
そのため、鍵の向きを気にすることなく使うことができるというメリットがあります。

どっちの鍵でも200番を解錠することができるよ
タキゲンの「TAK50」ってどんな鍵?

タキゲンの「TAK50」とは、200番の鍵のセキュリティを向上させた言わば上位モデルで、1999年からハイセキュリティモデル「TAKシリーズ」として販売が開始されています。
TAKシリーズには様々な種類が存在していて、TAK50の他にTAK40・TAK60・TAK70・TAK80などが展開されています。
TAK50の特徴は、200番とTAK50の鍵を両方とも解錠できるということ、また200番の鍵ではTAK50の鍵を解錠することができないという点です。


これによって、「TAK50の鍵をもつ管理者のみが特定の扉を開けることができる」といった運用が可能になり、現場のセキュリティや管理レベルのコントロールが可能となります。
もちろん、TAK50の鍵で200番を解錠することもできるので、管理者がわざわざ2種類の鍵を使い分けるといった手間が発生しません。

鍵を複数本持たなくても良いというメリットがあります
ただし、TAK50は2023年末に販売が終了してしまっていて、現在はTAK50の上位互換である「TAK55」が現行モデルとなっています。
引用先:タキゲン製造株式会社(No.TAK55 スペアキー)
TAK55は200番とTAK50の錠前を両方とも解錠できるという特徴を持っていて、既設のTAK50ハンドルをわざわざTAK55に交換しなくても運用が継続できるよう配慮がなされています。
引用先:タキゲン製造株式会社(TAK50シリーズ販売終了とTAK55シリーズ開発のお知らせ)
| 200番 | TAK50 | TAK55 | |
| №0200 | ○ | × | × |
| №TAK50 | ○ | ○ | × |
| №TAK55 | ○ | ○ | ○ |
また、TAK55の錠前は200番及びTAK50では解錠できないため、新型のTAK55に切り替えることでセキュリティを更に強化することも可能です。

他のTAKシリーズでは200番を解錠できないから注意してね
200番とTAK50(TAK55)を使い分けるメリットについて

200番の鍵とTAK50(TAK55)の鍵を使い分けるメリットについて解説します。
操作範囲を明確に分けることができる

200番とTAK50(TAK55)の鍵を使い分けることで、一般オペレータと管理者とで解錠できる扉の範囲を明確に分けることができます。
使い方の例
- 現場の一般オペレータが操作する範囲を200番の鍵にする。
- 管理者が操作する範囲をTAK50(TAK55)の鍵にする。

このように鍵の種類を重要度に応じて変えておくことで、「現場の一般オペレータが触れる範囲」と「重要な操作を行う管理者が触れる範囲」とを明確に分けることができ、設備の誤操作などを防ぐことが可能となります。

現場の人にあまり触って欲しくない操作部は、TAK55にするというイメージですね
セキュリティレベルを段階的に設定できる

様々な機器が納められている制御盤は、ある一定以上の知識を持った技術者でないと正しく扱えない場合が多いため、誰でも自由に触って良いものではありません。
特に、設備をコントロールしている制御装置など、重要な機器を収納している制御盤ほど盤を開けられる技術者を明確に限定する必要があります。
このような場合に、200番とTAK50(TAK55)を使い分けることで、解錠できる範囲に段階的な差を設けることができ、盤のセキュリティレベルを適切に管理することが可能となります。

セキュリティ強化とレベル管理が同時にできるよ
まとめ

以上、タキゲンの「200番」の鍵と「TAK50」の鍵について、特徴や互換性、使い分けるメリットについて解説しました。
タキゲンの鍵の中でも、1本で2種類の錠前が解錠できるのはTAK50だけです。(TAK55だと200番とTAK50にも対応)
この特徴を活かすことで、用途に応じた適切な使い分けを非常に便利に行うことができます。
是非、本記事を参考に設備管理の効率化やセキュリティ向上にお役立てください。











