皆さんは「ロックタイト」という製品をご存じでしょうか。
ロックタイトは主にネジの緩み止め用の接着剤として現場で使われることが多く、様々な種類のものが販売されています。
引用先:Amazon(LOCTITE263)
このような赤いボトルで「LOCTITE:ロックタイト」というロゴでおなじみですね。
この記事では、様々な種類の「ロックタイト」製品の中から特に仕事でよく使われるものにフォーカスを当てて、その種類や使い方を解説していきます。
なべロックタイトには沢山の種類があります、状況に応じて使い分けましょう!


LOCTITE:ロックタイトとは
引用先:ヘンケルジャパン株式会社(ロックタイトの歩み)
ロックタイトとはドイツの「ヘンケル」社が手掛ける接着剤製品の総称です。
ヘンケルの接着剤シリーズは、家庭用の接着剤から自動車レース用の緩み防止剤まで実に幅広い分野への製品展開を行っています。
「ロックタイト」を冠した製品はネジの緩み止め以外にもたくさん有って、物と物をくっつける多用途な瞬間接着剤、パテ埋め用の練り物状接着剤、熱で溶かして使うグルーガンタイプ、接着剤剥がしなど、実に様々です。
ロックタイトの緩み止め接着剤は「嫌気性接着剤」
ロックタイトの緩み止め接着剤は「嫌気性接着剤」というものに分類されます。
嫌気性接着剤は「金属イオンがある状態で酸素を遮断すると硬化する」という特徴があります。



それってどいうこと?
つまり、ネジやナットといった金属(イオン)に塗って、空気に触れないよう密閉(酸素を遮断)することで固まる(硬化する)接着剤です。
「嫌気」とは「空気を嫌う」ということを意味していて、言いかえると「空気がある状態だったら俺たちは固まらないよ!」ということですね。
新品のロックタイトでも容器の3分の2ぐらいしか液体が入っていないのですが、これはあえて空気を容器の中に入れておくことで固まらないようにしているとのことです。



一般的な接着剤と固まる条件が違うのが大ききな特徴の1つですね
LOCTITE:ロックタイトの種類


現場でよく使われる主なロックタイト製品について、一つ一つ見ていきましょう。
ロックタイト222
引用先:Amazon(LOCTITE222)
ロックタイト222は低強度のネジ緩み止め接着剤で以下のような特徴があります。
低強度・中粘度!
緩み止めの接着強度は「低強度」に分類されます。
低強度の接着強度だと、工具を使えば容易に緩めることが出来るぐらいの強度になります。
調整用のネジやカバー用のネジなど、点検等で頻繁に付けたり外したりを行うようなネジの緩み止め用途に向いています。
中粘度なので垂れにくく、ネジもしくはナットやタップ穴のネジ山に直接付けて使用します。
耐振動・耐衝撃性良好
低強度とは言っても、しっかりと振動や衝撃に起因する緩みに対して効果を発揮してくれます。
液体色:紫



ビスに”塗って”・”締めて”の手順を経るから、締め付け忘れが減るかもしれないね
ロックタイト243
引用先:Amazon(LOCTITE243)
ロックタイト243は中強度のネジ緩み止め接着剤で以下のような特徴があります。
中強度・中粘度
緩み止めの接着強度は「中強度」に分類され、かなり高い緩み止め効果を発揮してくれます。
工具を使って少し大きめの力を入れれば緩めることができるため、分解することのある機器での使用も可能な強度になります。
普段は緩めることがほとんどないものの、メンテナンス等でたまに取り外すことがある部位のネジに適している製品です。
設備関係や車・バイク関係で使用される緩み止め接着剤の中では、”定番”として一番使われているのではないでしょうか。
工具を使って緩めることが出来る強度の中では最大クラスのロックタイトで、扱いやすさの点でも非常にバランスが取れています。
こちらも中粘度で、ネジ山に直接塗って使用します。
耐油面性
振動や衝撃からの緩み止め効果はもちろんのこと、若干の油付着に対しての耐性も備えています。
車のエンジン回りなど、油の付着があるような箇所でも安心して使うことができます。
液体色:青



僕も仕事で愛用しているのはこのタイプのロックタイトですね
ロックタイト263
引用先:Amazon(LOCTITE263)
ロックタイト263は最も緩み止め効果の高い「高強度」の商品ですが、注意点もあります。
高強度・中粘度
ネジゆるみ止め接着剤として一番強度の高い「高強度」となり、かなり強力な緩み止め効果を発揮してくれます。
ただし、強度が非常に高いので工具を使っても緩めることがほぼ不可能となります。
そのため、一度取り付けたらもう二度と外すことはないような箇所や、緩んでしまうと簡単に締めることが出来ないような箇所に限定して使うようにしましょう。
緩めたい場合は、バーナー等で約250℃以上数分間加熱することで主成分の樹脂が軟化し、取り外せるようになります。



緩める時は火を使うので、高温になっても大丈夫な場所に限定して使うようにしよう
耐熱性
ロックタイト243の特性に加えて耐熱性も備えています。
液体色:赤
うかつに使うと後で取り外せなくなるので、「赤はうかつに使うとあかん」と覚えておきましょう。



とても強力なので、むやみに使うのは危険です!
ロックタイト248(スティックタイプ)
引用先:Amazon(LOCTITE248)
青い液体の中強度ロックタイトをスティック状にしたものが「ロックタイト248」という製品です。
事務仕事で使う”スティックのり”と同じ形状をしていて、こちらも液体タイプのロックタイトと同様、嫌気性接着剤の部類になります。
中強度・半固体
強度はロックタイト243と同じく中強度で、工具を使用して緩めることが出来る最大の接着強度となります。
形状は”スティックのり”のような半固体タイプであるため、液状タイプのように垂れてくることがなく、とても塗りやすい点が最大の特徴です。
ロックタイト243と合わせて持っておけば、作業環境や用途に応じた使い分けが可能になります。
固体色:青



スティックタイプも非常に便利だよ!
ロックタイト290
引用先:Amazon(LOCTITE290)
ロックタイト290は「後浸透用」タイプの緩み止め防止接着剤です。
ネジを組み付けた後に塗布すると、液体がネジ山に浸透していって接着してくれるという製品になります。
中強度・低粘度
接着強度については、青色のロックタイトと同じぐらいの強度になります。
その為、緩み止め効果も高く、工具を使って大きな力を加えれば分解することも可能です。
粘度については「低粘度」で非常にサラサラしており、「後浸透用」という名前の通り、組み付けた後のネジに塗布するとジワジワとネジの間へ浸透していきます。
組み付け終わったネジ・ボルトの緩み止めに使えるので、調整で何度も緩めたり締めたりする位置決め用ネジの緩み止めになどに最適です。
耐衝撃・耐振動性良好
ロックタイトの基本的な性能はもちろんおさえています。
液体色:緑
ロックタイトの使い方


ロックタイトの使い方について解説します。
1.ネジ山を洗浄する


まずはロックタイトを使おうとしているネジやタップ穴のネジ山を清掃しましょう。
グリース等の油分が付着していると効果が弱くなる可能性があるので、パーツクリーナー等で脱脂洗浄し、ホコリ等も綺麗に拭き取ることが重要です。
2.ネジ山にロックタイト液を塗布する。
ネジ山にロックタイトを適量塗布して組み付けます。
引用先:ロックタイト(ねじロック222 使用方法1)
塗布するネジ山はネジ本体でもタップ穴でも構いません。
引用先:ロックタイト(ねじロック222 使用方法2)
後浸透用のロックタイトについては、組み付けた後にネジのネジ山に塗布します。
引用先:Amazon(LOCTITE ねじゆるみ止め用嫌気性接着剤)
このように塗布することで、ロックタイト液がネジ山に浸透していきます。



後浸透のロックタイトは、このような組み付け状態のボルトで使うのに非常に便利です!
3.組み付ける
ネジやナットをしっかりと締め付けて組み付けを行います。
ネジをしっかりと締め付けることにより、金属の接合部で空気が遮断されて嫌気性接着剤の硬化条件が整います。
ネジから余分なロックタイト液が漏れてきた場合は拭き取っておきます。
4.10分程触らずに放置する。
塗布・組み付けが終わったら、何も触らずに約10分間放置します。
周囲の温度環境にもよりますが。おおよそ10分でかなり強固に接着されます。
ただし完全に硬化するまで丸1日掛かりますので、出来れば翌日まで触らないようにしたほうが良いでしょう。
ロックタイトで緩み止めを行うメリット


ロックタイトを使ってネジの緩み止めを行うと次のようなメリットが享受できます。
コストを削減できる
ネジの緩み止めには様々な方法が有ります。
例えばダブルナットにしたり、Uナットやハードロックナット等の緩み止めに特化したナットを使う方法などですね。
ただ、ネジの大きさは実に様々ですので、手配する材料の種類や在庫管理の面でコスト的に不利になります。
据え付ける機械の構造についても、緩み止めの為の仕組みや構造を考えて加工する必要性が出てきます。
ロックタイトによる緩み止めはネジの大きさを問わないので、接着強度さえ決めてしまえばあとは1本で様々なシーンに対応することができます。
また、緩み止めの為に特別な加工を行う必要もないので、余計なコストを抑えることもできます。
緩み止め品質のバラツキが抑えられる
緩み止めの方法には「技術を要すもの」・「手順ややり方を間違えると意味のないもの」などが有り、処置を行う作業者の技量に左右される場面があります。
ロックタイトは塗布して締め込むだけという簡単な方法にも関わらず、優れた緩み止め効果を発揮してくれますので、技量による品質のバラツキを最小限に抑えることができます。
ネジ山の腐食を防止できる
ロックタイトを塗布してネジを締め込むことにより、ロックタイトが付着している部分については硬化した樹脂でコーティングされた状態になります。
実は、この樹脂がネジを腐食から守ってくれるという働きもあるんです。
ネジが腐食していると、緩めようとしても固着して外れなかったり、折れてしまったりする場合があります。
このような事を防止してくれることで、ネジを外す際の作業性も向上します。
ネジにシール性を持たせることが出来る
ネジ山の隙間を埋めて樹脂が硬化することで、ネジにシール性を持たせることが出来ます。
つまり、シールテープを巻いたのと同じ状態になるということですね。
これによって、減速機のケースやエンジンなど、流体を取り扱う機器の組み立てを行う際に、ネジの緩み止めとシールを同時に行うことが出来ます。
確かな緩み止め効果
ロックタイトによる緩み止めは、機械的な緩み止めに勝るとも劣らない強固な緩み止め効果を得ることが出来ます。
高強度タイプのものだと工具で緩めることはほぼ不可能です。
振動の大きいところでもハードロックナットと同じぐらいの安心感があります。



ロックタイトを使うメリットはたくさんあります!
まとめ


以上、ロックタイトの緩み止め接着剤についてお伝えしました。
ロックタイトの緩み止め効果は非常に高く、現場でもかなり万能に使うことが可能です。
ロックタイト製品は緩み止め以外にも、その高い接着効果を応用した嵌め合い用など便利な製品が数多くラインナップされていますので、是非ご自分にあった製品を探してみて下さい。

















