光電センサには数多くの種類がありますが、その中に「限定反射型」と呼ばれる光電センサが存在します。
カタログを見ていると「拡散反射形」の光電センサとよく似ていますが、どこがどう違うのか分からないという方も多くおられるのではないでしょうか?
新人まつもと拡散反射形と何が違うのか分かりません。。。



この2つはどう使い分けたら良いんだ?
この記事では、「限定反射形」の光電センサとはどのようなセンサなのか?仕組みや「拡散反射形」との違いについて解説していきます。



「限定反射形」のセンサの特性を理解して使い分けましょう


限定反射形光電センサの仕組み
限定反射形光電センサの概要
限定反射形光電センサは、投光器と受光器が1つのセンサ本体の中に内蔵されており、投光器から飛ばした光が検出体に当たって返ってきた光を受光器が受け取ることで、検出物体の有無を判断しています。
この検出原理自体は、拡散反射形光電センサと同じになります。



これが違いが分かりにくい原因だね
機種にもよりますが、外観は普通の光電センサとあまり変わりません。
引用先:パナソニック デバイス SUNX(限定反射形ビームセンサ EX-40)
では、従来の拡散反射形と限定反射形では、何が違うのでしょうか?
答えは、”検出する範囲“です。
限定反射形光電センサは、投光器から出した光が対象物で反射して戻ってきたとき、受光器がその光を全て拾うのではなく、受光できる光を限定することで限られた範囲だけを検出するという仕組みになっています。
つまり、近くにあるものや遠くにあるものには反応せず、あらかじめ決めた範囲にあるものだけを検出できるのが、限定反射形の大きな特徴になります。



検出範囲を限定するため、「限定反射」と呼んでいます
限定反射形光電センサの構造
引用先:オムロン(限定反射形光電センサ 検出原理)
限定反射形光電センサは上図のような構造をしています。
投光素子と受光素子は水平ラインに対して同じ角度θ°傾けて配置されています。
このように配置することで、投光レンズの直線軸と受光レンズの直線軸が交わる限られた範囲での物体だけを検出するようになります。
各直線軸が交わる範囲以外に検出体があったとしても、跳ね返った光が受光素子の方まで届かないため、物体を検出することはできません。
そのため、上図の検出体(A)は各直線軸が交差する範囲にあるため検出ができますが、検出体(B)はその範囲外にあるため検出することはできません。
このように、限定反射形光電センサは、各直線軸が交わる範囲内にある物体だけを検出できるよう距離の設定ができる構造になっています。



各素子のレンズが傾いているという点がミソだね
拡散反射形光電センサとの違い
引用先:オムロン 拡散反射形光電センサ(検出原理と特徴)
拡散反射形光電センサは限定反射形光電センサと違い、受光素子と投光素子に一定の角度がついた構造にはなっていません。
なので、下図のように「拡散反射」した光の多くが、そのままセンサーの受光素子に入ってきます。
引用先:オーシャンフォトニクス株式会社(正反射とは?拡散反射とは?)
一方、限定反射形光電センサでは、拡散反射された光のうち「正反射」した光を限定して検出しています。
引用先:オーシャンフォトニクス株式会社(正反射とは?拡散反射とは?)
これが限定反射形と拡散反射形との大きな違いになります。



この違いが、限定反射形にしかないメリットを生み出しています
限定反射形光電センサの特徴


限定反射形光電センサの特徴について、拡散反射形と比較しながら解説します。
背景の影響を受けにくい
限定反射形の光電センサは距離を限定して物体を検出する構造である為、背景にある物体の影響を受けにくくなります。
拡散反射形の光電センサでは、検出したい物体以外のものが背景にあると、それに跳ね返った光を受光して誤検出してしまうときがありますが、限定反射形の光電センサはそのような事象が起きにくく、安定した検出が可能になります。



背景の光は完全無視みたいな感じかな
検出体の色による影響が少ない
拡散反射形の光電センサでは、検出物体の色や光沢によって検出距離が左右されることがあります。
例えば、検出物体の色が黒い場合、光が吸収されやすくなるため検出距離が短くなりやすくなりますし、また、検出物体の表面に光沢があると、光が乱反射しやすくなって検出距離が不安定になる場合もあります。
限定反射形の光電センサでは、正反射した光を限定して検出する方式であるため、物体表面の色や光沢に左右されにくく、安定した検出が可能になります。



検出距離が安定しやすくなる点は大きなメリットですね
応差距離が短い
引用先:オムロン 応差の距離(光電センサ用語解説)
物体をセンサに近づけて「ON」の状態になった後に物体を離してセンサが「OFF」になる、このセンサーの動作距離(ONになる距離)と復帰距離(OFFになる距離)の差を「応差距離」と言います。
限定反射形光電センサは、拡散反射形と比較してこの応差距離が短くなります。
つまり、物体を検出できる距離の精度が高いと言い換えることもできますね。
ただしこの応差距離が短いと、この範囲で検出物体が光電センサに近づいたり遠ざかったりすることで、ONとOFFを繰り返してしまうような現象が発生しやすくなるデメリットがあります。
そのため、この応差距離を考慮して拡散反射形と限定反射形どちらを選択するか、状況に応じて使い分ける必要があります。



そこまで精度が要らない場合は、拡散反射形の方が使いやすいかな
検出距離が短い
限定反射形光電センサは、拡散反射形よりも検出距離が短くなるという特徴があります。
機種にもよりますが、拡散反射形ものと比較して検出距離が半分、場合によってはそれ以下の検出距離になるケースが多く見られます。



拡散反射形が検出距離500㎜〜1mなのに対して、限定反射形は20㎜〜200㎜程度になります
そのため、ある程度距離の離れた位置にある物体を検出したい用途では、限定反射形では検出距離が不足してしまう場合があります。
この点についても、センサの特性と状況を勘案して光電センサの選定が必要です。



限定反射形は近距離検出に特化したセンサだと言えるね
限定反射形光電センサの主な用途


限定反射形光電センサはどのような場面で便利に使えるのか、ひとつひとつ例を見ていきましょう。
背景に物体がある中での安定検出


拡散反射形の場合だと、検出したい物体の背景に光沢があったり動いているものがあったりすると、それに影響されて安定した検出を行うのが難しくなります。
限定反射形を使用して検出したい物体の距離を正確に調整することで、背景の影響を最小限に抑えた安定的な検出が可能となります。



外乱が多い場所ではとても活躍しそうですね
物体の高さ検出


コンベア上に流れている物体を”高さ”で検出するという使い方も、限定反射形光電センサであれば可能です。
距離を測定できる超音波センサを使用する方法も有効ですが、あらかじめ設定した距離で安定的に検出できる距離設定形光電センサを使うことで、同様の検出を行うことができます。



不良品を見分けたりするのにも役立ちそうだね
色違いで流れてくる物体の検出


限定反射形光電センサは、コンベア等で連続して流れてくる製品の色がバラバラであったとしても、安定して検出することができます。
また、色の違いだけでなく、物体表面の質感やツヤの有無など、光の反射状態が不規則になりやすいような条件であっても、検出への影響を受けにくいというメリットがあります。



物流センターなど、色々な製品がコンベアで流れてくるようなシーンではとても有効ですね
動く機械に取り付けての検出
距離設定形光電センサを取り付けて機械本体が自ら動いて物体を検出しにいくといった使い方でも、検出距離を正確に調整することで応用が可能になります。
繰り返し精度の高い機種を選定すれば、動く機械の位置決め制御にも使うことができます。



アイデア次第でいろいろな使い方ができるよ
まとめ


以上、限定反射形光電センサについて仕組みと特徴についてお伝えしました。
限定反射形光電センサと拡散反射形光電センサは一見すると違いが分かりにくいですが、仕組みと構造から考えると似て非なるものだということが理解出来るかと思います。
光電センサには他にも様々な種類がありますので、特性を理解してシーンに応じたベストな機種を使い分けていきましょう。








